あんこの会
あんこがはみ出るくらい日々奮闘中のセラピストたちのブログ。 ぜひご一読を!
チャリティ講演会~出会いに感謝して~
- 2013/07/22 (Mon)
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チャリティ講演会
2013年7月12日(金)
この日は毎月の作業科学研修会のスペシャル版?イレギュラー版?
(いつもステキな刺激をくれる会なのにセンスのない表現・・・すみません)
齋藤さんのお仲間が「福島の為に・・・」と講演に来てくださるとのこと。
朝からテンション高め。
なんたって友利先生と竹林先生が福島にお越しに!
業務終了後、一路郡山へ。
声をかけてくださった齋藤さんと、
参加したがるだろうなーと思わせてくれる仲間に感謝。
友利先生「作業療法と機能訓練」
詳細は友利先生のブログを見ていただくとわかりやすいですが、
理解した範囲で記載しておきます。
OTが機能訓練を行う際のポイントは3つ
・「活動」ではなく、「作業」に焦点を
「活動」と「作業」の違い
「作業」は、意味と目的を明確にしたもの。
面接をしていてもCLとセラピストは目標にずれが生じる。必ず。
だからこそ、よりCLにとってわかりやすい、身近に感じられる言葉で共有。
目標は作業レベルで記載する。
例)立位バランス向上
=機能を目標に挙げてもよいが、それはセラピストの中で。
=CL側に立った目標に言い換えると、
「主婦の役割を再獲得するため、1か月後に食器洗いを効率よく安全に遂行できる」
・「治す」→「治る」
主役はCL。
CLのスタンスは「治してもらう」、ではなく、自分で「治る」
セラピストの役割は動作分析、適切な動作課題の提供、適切なフィードバック。
「治す」ことではない。
そしてやっぱり実動作訓練、もしくは課題指向的アプローチを。
・「病理的治癒」→「社会的治癒」
目指すのは「社会的治癒」
=ICFで言う「参加レベル」(日常生活)で使えていなければ「治癒」とは言えない、
という意味合いだと思います。
=行動変容
人→行動→結果 (「人」が「行動」して「結果(治癒)」を導く)
人の行動が変化するには、自己効力感が必要
自己効力感は①成功体験
②代理的経験(できそう!と自分で思える)
③言語的説得(できるよ!!)
④生理的・情動的状態(体調)
からなる。
機能改善≠生活改善
そもそも運動機能とADLは相関が低い。
機能が改善したからといって生活も改善するわけじゃない。
機能を生活に生かすための戦略が必要。
OTはどう機能訓練と向き合えばよいかを教えていただきました。
機能訓練が悪いわけじゃない。手段の一つ。
何度も「前座なので・・・」と言われていましたが前座ではもったいない内容です。
竹林先生「CI療法の実際と症例」
ハーパンで登場した先生に少し驚き(笑)
関西弁で突っ込みを入れながら、とても熱く語ってくださいました。
発症180日経過。
一般的にはプラトーと言われていた時期。
でもこの病院では
それ以上経過した方々のSTEFが平均40点改善。
なぜ??
最も重要なことは機能改善ではなく、「麻痺手の行動を変容すること」
生活の中でどれだけ使える手であるか?
CI療法の3つのコンポーネンツ
①非麻痺手の「使用・行動」を拘束
②task-oriented training 課題指向型訓練
③transfer-package 麻痺手の機能回復を日常生活に反映させるための患者指導
CI療法の治療形態(訓練)
・健側上肢の拘束
訓練中は原則拘束するが、日常生活では拘束しない
また、先生の病院では脱抑制や道具の強迫的使用があるのみ拘束。
重要なのは拘束ではなく、麻痺手を適切に使用すること(①)。
・療法士の介入 課題中にハンドリングは行わない。終了時のリラクゼーションのみ
・その他 1時間に10分休憩
②課題指向型訓練
目標を達成するために近しい運動や動作に必要な運動を含む課題を用いた介入。
CLにとって意味のある目的に向かった課題を導入すること。
課題は麻痺手に合わせて適切な難易度のものを。
CI療法における2種類の課題指向型訓練
shaping
作業の手段的利用。機能訓練寄り。
麻痺手の機能改善目的。
スピードを求め(1つの課題は10回1セット)、段階的に細やかに難易度調整。
難易度の変数を3つ決めておき、難易度を上げる際には変数を一つ変更する。
課題は、 ボトムアップ:共同運動パターンを評価し、分離を促すための運動方向を決定する
トップダウン:ゴールとなる動作を分析し、必要な運動方向のダイナミクスを理解
評価から導き出した運動方向を課題の中に導入する。
課題の決定には「what」よりも「why」が重要。
task-practice
作業の目的的利用。直接的、実際的な訓練。
shapingほど難易度調整やフィードバックは行わない。
<難易度調整>
課題指向型訓練はTrial&Errorが基本。
課題が難しすぎても簡単すぎても学習は進まない。
理想は成功率70%。
5つの視点
空間的な広がり、物品の特徴、環境、補助具、動作の種類
<フィードバック>
方法
学習効果が優位に持続する頻度は50%。2回に1回は自分で振り返る。
理想的な声掛けの頻度は1/4回(具体的には想像できないけど思ったより少ない)。
内容
できた回数や所要時間、細かな指導、療法士の動きの模倣、励まし。
③Transfer Package(訓練効果を意味のある作業に結びつけるための行動学的手法)
=集中的な訓練や日常生活における麻痺側上肢の使用を通じ、
麻痺側上肢の現状や問題をCLに理解してもらい、その問題解決技法を指導する方策
=目的はADLでの使用頻度や動作の質改善などの麻痺側上肢の行動変容
Transfer Packageの3つの構成要素
1)麻痺手を使う約束
契約書にサイン。
CI療法により達成したい意味のある目標を10個決め、その実現のために訓練を組み立てる。
麻痺手を良くするためには日常生活で麻痺手を使わなければならないことを説明。
使えば訓練後も伸びていくが、使わなければもとに戻る。
2)セルフモニタリングの促進
麻痺手の使用状況を把握してもらう
3)問題解決技法(麻痺手の使い方、役割)の指導
この後は、自分でどんどん良くなっていく事例の紹介。
療法士の関わりなんてほんの一部。
CLの心を動かすだけ。
友利先生につながる、「治すのではない、自分で治るのだ」という概念。
シメの言葉>行動は、薬や直接刺激とは比べものにならないくらい
脳の可塑性においてポジティブな刺激
わくわくする内容が書ききれないほどありました。
CI療法へのイメージはごろっと変わりました。
竹林先生のやり方が幅のある方法というだけなのかもしれませんが、
強制的でつらい覚悟をして・・・(言い過ぎ?でもないか)というイメージが、
CL自らが一生懸命模索し、前向きに、主体的に取り組む。
そんなもの(の一つ)が「CI療法」という認識になりました。
けして押し付けない、竹林先生もとてもステキ。
CLの個性を大事に。特性を大事に。
療法士は柔軟で融通の利く援助を。
そんな姿勢が、とても作業療法士らしくてステキでした。
大好きな方が、また一人増えました。
数々の出会いに感謝。
あんこ
精神科OT
- 2013/07/09 (Tue)
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精神科でOTをしていて感じること
精神科へ異動して1年半。
衝撃的なことがたくさんあった。
外見は一般的で、外ですれ違うような若い男性。
OTが処方されて病室に行ってみると、窓際に何枚も習字紙が貼ってあった。
「目指せ!普通の26歳」
「まずは平均!」
『ふつう』であることが彼の目標だった。
連日両親と衝突し、公園で野宿していた女の子。
想いを言語化できずに解離することがしばしば。
激しい虐待も受けていた。
低い脆弱性による、自傷行為。自殺企図。
妄想の中で生活している方。
病室内の床は一面ティッシュが敷き詰められ、訪問者は椅子に着座して「神様」に拝まなければCLと話せない。
1.何ができる?
私にできること。
作業療法。
『作業療法』
=「個性、らしさ」の支援
=対象は限定されない
=らしく生きられない、すべての「ひと」
『ひと』
=十人十色
=障害がなくても様々な特性を持っている
=個人因子に加えて様々な環境因子・・・
=千差万別
そこにさらに診断がつけられる。
統合失調症、
気分障害、
アルコール依存、
解離性障害、
身体表現性障害、
摂食障害、
不安障害、
発達障害・・・
疾患や障害がすべてではない。
でも、強い偏見は確かに存在する(自分で作る壁もあるだろうけど)。
CLはその偏見の目とも戦わなければならない。
これについては長くなるのでまた後日。
『作業療法』は『ひと』が元気になるために提供される。
もう1回、『作業療法』の確認
=治療の一つ
=他の治療と際立って異なる点は、主体的、能動的な治療であること
=CLが自ら選択し、体験する治療であること
精神科の多くの方は身体に障害がないのに生活に支障が出ている。
対象がどのような状態であれ、作業療法にできる支援は同じ。
CLに寄り添いながら、背中を後押しして、CLが道に迷いそうなときには少し軌道修正を図る。
ときにはあえて一緒に迷う。
『ひと』の元気のため。
OTって、たぶんそんな存在。
2.見せたい自分、見せたい相手、見せたい場所
・・・この人の前ではこんな私でいたい
・・・ここではこんな私を見せられる
医療者だから見せる顔
友人だから見せる顔
家族にしか見せない顔
病棟だから見せる姿
外だから見せる姿
自宅でしか見せない姿
いろいろな場面で見られる、いろいろなCL。
ぜーんぶ含めてCLその人。
私の前ですべてのCLを見ようとする必要はないよね。
それは不可能だし、CLにとって、守りたい『自分』があるだろうから。チームでいろいろな『自分』を持つCLを共有すればいい。
まあそれが難しいんだけどさ。へこむことも多いんだけどさ笑
精神障害のある方の支援。
今も振り回されてばかりだけど、
でも、変わらないのは精神科に限らずどの分野も『ひと』を支援しているということ。
そして、簡単に『ひと』をわかるほど悟りを開いているわけでもないこと。
知識が足りているわけではないこと。
簡単にわかりきるほど単純な仕事を選んだわけでもないこと。
そして②、一番大事なのは、障害を持った方でも健常者となんら変わらない部分がたくさんある方々であること。
めちゃくちゃ難しくて毎日テンパっているけど、
この地道な日々の振り返りが少しでも前進につながるように。
引き続き模索、模索、また模索・・・(^^;
『人』も『作業療法』も奥が深いなあ。
まだまだ未熟すぎるので、ご指導よろしくお願いいたします。
あんこ
心が動けば体が動く!
- 2013/05/29 (Wed)
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2013年5月26日
福島県作業療法士会総会。
今回は30周年特別記念講演。
藤原茂先生による
『心が動けば体が動く-人生が面白くなる作業療法-』を拝聴しました。
あの、藤原先生の講演ですよ。
1.施設紹介
山口県のデイサービスセンター 夢のみずうみ村。
系列の施設はいずれも『人生の現役養成道場』と書かれている。
仕事には定年があるが、人生は生涯現役!である。
道場=本人が望んで入るところ≠家族の希望で入る場所
リハビリプログラムは自己選択、自己決定。
みんな自分から動いてスケジュールを決める。
帰りの送迎車も自分で決める(デザイン、色、ナンバーの異なる車)。
食事も自分で好きなものを選択して取っていく(いつもバイキング形式)。
五感と食欲を刺激する環境、人のなかでの動き方、社会性・・・
それらすべてがアクティビティ。
わざと狭い空間や人ごみを作り出す
利用者さんが動き回る=転倒のリスクが高い。
自宅で考えられるリスクをわざと配置した環境をつくる。
その中で生活すること自体がリハビリとなる(バリアアリーな空間)
さらに・・・
物入れとして使っているタンスは身体機能に合わせて高さを配慮。
廊下はあえて狭い造り。手すりがあるだろうところにはロープが設置。
人の多い空間は日常生活に近い状況。声を掛け合って過ごす環境は社会性の訓練。
マットを敷いて安全に転倒練習をする部屋。
カラフルで楽しそうな空間は縁日をイメージ。
手すりなんかついてない家が当たり前。段差のない家のほうが少ない。
タンスにつかまったり壁に寄りかかったりしても移動できる。
施設内通貨(ユーメ)を貯めて、ギャンブルもできる。
自分の獲得したものを自分のために使うことができる。
自立(自律)=ひとりひとり違うもの
自立(自律)を引き出すのがリハビリ
自分から動こうとする環境がその施設にはある。
それができる環境がそこにはある。
意思を、こころを動かすしかけや仕組みがそこにはある。
2.作業療法士とは?意思とは?
作業療法士とは『意思』を引き出す専門家
見えない『意思』と関わり、引き出す。わかりにくいものをわかりやすいように。見える化。
理学療法士と同じことをするPTもどきや、
わかったようなことを言っていても『意思』のない関わりをしているような人は
偽物の作業療法士。
『意思』とは、
ああしたい、こうしたい
生きる力
自分らしさを保つ力
考える力
わかる力
人と交わる力
「あなたは生きていますか?」
「生きる意思がありますか?」
「生かされている」⇒「生きている」⇒「生・き・る」
⇒OTは「生きる」を目指す
意思=「ゆめ」
そばに寄り添って、
一緒に、「できそう」か「できなそう」かを考える
知識より意識。
「目の前にいるあなたを私は放ってはおけない」
真のOTは「意思」を動かす・・・
発症してまもなくは「生かされている」状態。
寝たきり、延命処置・・・
OTが関わることで
感覚を引き出す、
本能がうごめく、
活動が広がる、
ヒトの輪に入る、
居る機会ができてくる、
自己選択や自己決定が行われるようになってくる
=意識の目覚め現象
達成感(その場限りで持続力はないシャボン玉のような)が増え、
⇒有能感が高まり(ゴム風船になった!)、
⇒生きがいに!!
=意思のはじけ現象(はじけちゃった!!!)
例えば、
「片手の(片麻痺)料理教室」では、50種類の料理ができたら「初段」、「初段」の方が料理教室を10回やると「師範代」の称号が貰える。指導するという「役割」が生まれる。
=作業療法
OTが行う作業活動は、達成感のシャボン玉が随所に何度もちりばめられている。
有能感のゴム風船。これをしっかり使える作業療法士に。その先にいきがいが生まれる。
生きがい階段=生きがいを作る階段
OTは意識的に学問として習い、体験として知っているはず。
それを理解していないOTが、もしいたら辞めたほうがいい。
意思=様々な特性
見えない「意思」を捉えて関わる。
「意思」は「イイね階段」と「(やらなくて)いいよ階段」のらせん階段になっている。
誰でも「(これも、あれも)イイね階段」、「(やって)みよう階段」、「(やらなくて)いいよ階段」を持っている。
OT
=絡まっている階段をほどいて「イイね階段」を見やすくすることが仕事
OTの確固たる部分。
意思のらせん階段をどれだけOT自身が承知しているか?
3.「心が動けば体が動く仕掛け」10か条
①自分の意思を持って実践しよう
②身の回りのことを自分で処理しよう
③移動の自由を確保し、積極的に動き回ろう
④身体の動くところはしっかり動かそう
リハビリ漬けは、やめよう。
⑤孤立しないように第三者との関わりを持とう
対人接触度を上げる。人の輪に引っ張り出す。
⑥時間を意識して行動し、何か予定を立てよう
⑦動き始めたら一区切りつくまでやり通そう
⑧自分の活躍する場や役割を持とう
⑨やったことがないことに挑戦しよう
⑩エネルギッシュに暮らそう
リハビリ
=不便さはあっても生活に支障がないようにする
=生きていることに不安がなく、満足で、楽しい状態を目指す
OT
=機能が改善しなくても「生活や人生の回復」を目指す
介護
=介助の必要な部分をわかっていて実践できる(「たす」、「ひく」ができる)。
不要な介護はしない。
最後に言いたいこと
HEARTFUL:知識は不要。意識!心!
POWERFUL:走れ!動け!
SMARTFUL:考えろ!!!
金子みすず
みんな違ってみんないい
★夢のみずうみ村のスローガン★
直接拝聴してみて・・・
OTってすごい!!!
厳しい言葉もたくさんいただきました。強烈な言葉もいただきました。まだまだだなって再確認しました。
でも、すべてわたしたち後輩への激励。
PTとの比較にも日々悩んでいます。
PTとの違いを説明できない自分にがっかりもします。
でも、今ここでできることを精一杯やっていく。
決意を新たに臨床やってみます。
あんこ
湘南OT交流会 vol.2
- 2013/05/08 (Wed)
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本日もすこぶる良い天気なのでshizukaは朝から散歩★気持ちよかったー!
昨日の終了時に撮った全体写真。すごいでしょ笑
さて本日は、
⑥南征吾先生から
「その人の生きてきたストーリーを知る、そしてアプローチ」
この先生は存じ上げておりませんでした。でもとてもとても熱い方です。
CLを一般論ではなく、1人の人として見る。
今目の前にいる方は、歴史上ただ一人。
自分は自分。人と一緒にされたくない。っていう想い。誰だってあるよね。
レッテルを貼られるのは嫌。
こう見ることで介入戦略が立てやすくなる。
OTがCLの人生に登場することで、
その人らしいストーリー展開になるように!
聞き方
①ライフストーリーインタビュー
CLが人生について語ろうとすること、体験を物語にすること。
②インタビューリストに基づくインタビュー
「今」しか聞けないシーンを見逃さない。独特なストーリーが出てきたらより具体的に掘り下げる。
相手の語りを促すような問いを。
③ナラティブボード
大島(2003)回想ボード。
過去にやっていた作業、今興味を持っている作業、今取り組んでいる作業について、写真やイラストを交えてボードにまとめる。CLのストーリーを可視化。体験世界を把握する。
可視化することでCLだけでなく、周囲の理解が得られやすい。
病と疾患
病:CLが体験するもの。症状を説明しようとして生じる意味(ある特定の病のエピソードについて抱く考え。生活史と切り離すことはできない)。個人的経験に基づく意味(その人の体験から今の状態を知る手掛かりとなる)。
疾患:専門職の見ている病気。
ストーリーの4期
1.作業を見出す時期
2.実行に移す時期
3.披露する時期
4.最期を迎える時期
効果
ストーリーを共有することで、社会的孤立から免れ、癒される。また、作業はいまだやりきれていない作業を思い出す契機となる。また作業の披露により、他者にCLの存在が刻み込まれる。
分岐点
CLは分岐点に立たされている。そこに介入したOTは過去のストーリーを踏まえてポジティブな方向へと支援する。作業療法の活動自体も新たなストーリーの一部となる。
高齢者の特徴
ストーリーは豊富に存在するが、ドミナントストーリーに陥った人をOTの介在により、CLの感情を揺さぶる作業を発見し、オルタナティブストーリーを提供する。その人らしいストーリーの援助。
誰にでも大事にしているものがある。大事にしたいものがある。
それを一緒に。一緒に大事にする、代弁するっていうことかな?
⑦島谷千晴先生
「その人の生活習慣・バランスを知る」
この先生も存じ上げておりませんでした・・・。お若くてパワフルな先生です。
CLへの寄り添い方を示して頂きました。
評価は、何のために?どのタイミングで?評価する?
何を見るか?ではなく、どの視点から見るか?が重要。
OT=作業の視点
=作業の評価、分析、介入が要求される
=作業の知識が必要
生活習慣
=無意識に身につけている作業への従事の仕方。慣れ親しんだ環境で誘発される、組織化された行動パターン。
=習慣は不要なエネルギー消費を避けることができる。
習慣が未獲得だと疲労しやすい(耐久性の問題だけじゃない!)
=文化や価値観、環境が大きく影響
=生活にある程度のリズムやテンポを作ることで安心感を得ている
習慣形成のプロセス
=刺激と反応を繰り返すことで習慣は作られる。この繰り返しが多ければ多いほど強化。
では、CLの生活リズムを整えるには?
=まずはCLの認識。そして過去のリズムの整え方や整えられそうな作業の評価、選定
=作業のタイミングの選択、決定
=継続できるような形態のアレンジ法の充実
生活バランス
CLにとって最適かどうかが重要であり、OTの価値観では見ない。また1日、1週間、1年などさまざまなスパンで確認する。またバランスは常に無意識に変化する。
良いバランスはQOLを向上させる。
作業不均衡
=作業が多すぎる、また少なすぎる、また偏っている
⇒人は無意識に不均衡を補う作業を選択する
⇒CLのよしとするバランスが崩れると、大切な作業が持つ意味も変わってくる
バランスの視点
・分類的視点:動き、カテゴリー(レジャー、生産、セルフケア)、二極(yes/no)
・尺度的視点:従事時間、個数、主観
⇒分類的視点で評価し、さらに尺度的視点から評価する
⇒今のバランスの満足感をCLから聴取し、今後の生活イメージへつなげる
作業観
=自分らしく生活するためのこだわりや信念
生活習慣を知るために
OTの良い、悪い判断基準は捨てる!あくまで本人の主観。
また、質問した当初は語れないのが当たり前。CLは無意識だから。
知るってどういうこと?
1つ1つの作業のパターンを知り、連続した作業としてとらえる。
OT=作業の専門職!と示すため、とにかく作業の知識を!
⑧藤本一博先生
「生活習慣とバランスへのアプローチ」
ついに愚痴OTさんのお話。独特な雰囲気をお持ちですがOTへの熱い思いを感じます。
開始時から・・・
OT=人の生活を豊かにする!
うれしい言葉ですね。
さらに、こうも言われました。
OT=その人の時間をその人にとって大事な作業で埋める。良いバランスで。
事例から。
重度麻痺残存しているがADLは自立。在宅復帰した。数か月後、バリアフリーにした自宅を「座敷牢」と呼び、自殺。
なぜ?
CLの健康的な生活を作るにはどうする?
まずは「健康」のイメージを本人、家族ですり合わせる。
そして以前の生活で行っていた作業を洗い出す。
そしてそして「仕事」、「余暇」、「セルフケア」、「休息」に分類。それぞれの時間を足していく。
発症前と発症後で比較し、現在のバランスを見つめる。
変化は大きなストレッサー。
増えたカテゴリー、減ったカテゴリーを整理し、調整できそうなところをしてみる(CLに必要なことを導き出す)。
習慣を変えるときは、CLとともに試行錯誤するしかない。
毎日CLとディスカッションを繰り返す。
リスク管理?
リスクマネジメント
=専門職が管理
リスクコミュニケーション
=リスクは起こるもの。そのときどう向き合うか?CLが考えていけるように。
⇒積極的に失敗体験を!!
いずれ失敗するなら院内で失敗したほうがそりゃ安全だもんね!
ワークショップ・・・
面接動画を見ながら聴講者も体験。
面接には実施スキルと分析スキルが必要。面接はOTの技術!!
2日間終了!!トータル552名の参加。
やっぱりOTってすごい。みんなかっこよすぎでしょ。大好き。
そう思えた2日間でした★
あと、ツイッターやってて良かった。こんなに多くの出会いがあることに。心から感謝。
あんこ
*shizukaは実際にあんこを作ってみました笑
湘南OT交流会 vol.1
- 2013/05/07 (Tue)
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5/5,6 in茅ヶ崎
遊びに来たわけではありません。研修です(でも私にとっては完全に余暇活動に分類されます★)。
このような爽やかなお天気のGW中日。
こんな会があるって知ってからどうしても来たくて。いつも刺激をくださる大好きな方々に会ってみたくて。
方向音痴の私が単独参加なんてこわい!と思ったけどとりあえず申し込んじゃった笑
そんな中、1月brigdeでお世話になったちかちゃんが参加するとわかって。めっちゃ嬉しかった。
ちかちゃんはCLに対して真摯に向き合う。素敵なOTさん。
出会いって本当にありがたい。行く前から感動に浸ってた笑
そして会場へ到着。茅ヶ崎市民文化会館。
今回の講師陣は8名。
まずは
①籔脇健司先生
「作業の力と捉え方」
内容は冒頭から熱い。外見と声はとてもさわやかな先生です★
OTとは。
その人らしさの支援、環境支援、役割の獲得。環境支援が役割の獲得につながり、作業適応(CLの満足、納得できる状態。作業同一性と作業有能性が必要)へつながる。
これを実践するには?
「その人らしさ」の理解が必要。
「らしさ」って?
長い年月を生きてこられたCLの全てを知ることはできない。
その人が大切にする「作業」に関する情報を!
どうやって?
・作業ストーリーテリング
ストーリー(歴史)を呼び起こす、発症前のその人にとって「普通」だった生活を確認する、重要な作業を中心に時系列に並べる
・MOHOST(観察式人間作業モデル)
作業の動機づけ、作業パターン、交流やコミュニケーション技能、情報処理技能、運動技能、環境の各項目で評価
→情報を収集し、MOHOSTで整理することで、作業参加への焦点化を図る。これにより、その人らしさを見越した訓練へつなげる。
OTが使える手段
・作業に取り組む機会の提供
・環境の改善
・福祉用具の提供
・相談の場の提供
これらにより作業参加へつなげ、健康な状態へ
環境支援・・・重要なことはわかるけど・・・広すぎ!
QOLに限定しよう!!!
高齢者のQOLに関与する環境因子:安心生活環境、相互交流環境、家庭環境
特に、相互交流環境を求める在宅高齢者は多く、これが充足している方はQOLが髙い★
研究からは環境への介入はCLの状況が大きく変化する時期がベスト!また役割獲得にも環境への支援が重要。
私は視野が狭くなりがちなので、OTの手段の一つであり大きな部分を占める環境支援!頑張ろう!と思いました。
②友利幸之介先生
「大切な作業を実現するための3つの方法」
冒頭は友利先生の尊敬する長谷龍太郎先生の文献、
OTジャーナル1998「21世紀の作業療法を目指して」について。
学生の頃にこれを読んだ友利先生はキラキラしたようです。今もキラキラしているので容易に想像できます笑
その人らしい生活
その人の生活を、その人が大切にしている作業で埋める
それはその人が健康でいるために必要な作業。その作業の意味を共有する
=CLの希望→目標→成果(振り返り)
=作業に焦点を当てる
=トップダウン
なんかOTってすごく贅沢な仕事ですね。
その人の大事にしていることを共有できるなんて。一緒に喜べるなんて。
★講師の方々のような素敵なOTのポイント★笑
1.周りのいう事は聞かない
(でもCLのいう事はとことん信じる!!かっこいい)
2.面接!
3.実動作での評価!訓練!
1・・・
これはうまく説明できませんが肌で感じます笑
2・・・
OTの役割?OTの意味?何をする職種?何をOTに期待すればいい?
=CLへまずは説明を!!
意思決定に対する認識のずれは往々にして存在する。互いに一方通行にならないように。
また、CLの実行している作業の目的は?理由は?CLに聞いてみる。
3・・・
実動作の観察が一番妥当性が高い。
作業の評価を現場でできる。観察後に具体的な目標を立てられる、具体的な問題点の共有ができる。実際場面のほうがCLが納得できる。
ちなみに先生方は、ユンボの運転、職人さんの屋根の上での訓練、渓流での歩行、学校の先生の模擬授業のためセラピスト30人を就業時間内に召集し、模擬授業してみる・・・など素敵すぎる笑
この作業に焦点を当てた介入は早めに開始したほうが良い。そのほうが、CLが自分でどのようにすればできるかを考え始める。問題解決能力が向上する。
先生がネット上で開設した、クックパッド的に検索ワードを入力して自分の治療へ生かす「みんなのリハプラン」。
皆さんの投稿が他のOTのヒントになるかもしれません。是非投稿してください★
私もまずはのぞいてみます♪
秋には「高齢者のその人らしさを捉える作業療法」という、
今回の講師陣で執筆した本が出版される予定。
③上江洲聖先生
「介護保険施設における作業選択を尊重した支援」
今回の内容
・OTになりたい
(私も同じタイトルでブログを書きたいと思っていたので驚きました笑)
・作業の見せ方
・作業療法の書き方
目的≠目標
目的=目標+意味(CLにしかできない意味づけ)
誰だって見えないものはわからない。将来は見えない。
→自分の意思で頭や体を思うように使う。役割や楽しみを取り戻す=OT
施設入所しているここが家だと思えるくらい、やりたいときにやりたいことをしてほしい・・・
目標の設定、共有
他者が目標を達成した!と思っても仕方ない。CLが!そのように!感じることが重要。だから計画書の目標欄へのコメントは「・・・と本人が感じる」と記載することが多い。
「機能」の向上はし続けるものではないけど、「満足度」は同じ作業をしていても変わり続ける。
多職種で同じ目標に向かって関わる。
1年後にこのCLが
「自分でこの作業をできる体になった!!」と思えるか?
10年おでんの動画も見せていただきました。何度見ても素敵です。この感動をうまく伝えられずに残念です。
私の文章で伝えられるわけないか。ノンバーバルでなら伝えられる自信あるけど笑
お会いできて本当に本当によかった。
④齋藤佑樹先生
「役割・生きがいを知る」
福島で作業科学研究会を立ち上げてくださり、毎月勉強会を開催してくださっています。私も何度かお邪魔させていただいていまして。とても大好きな先生です。熱く、熱く、語ります。
作業ができる=役割を取り戻す!!
・取り戻したい役割・・・・・・・・・・・内的期待
役割=認識的側面(内的期待+外的期待)+作業的側面(実際の遂行能力)
OTがCLの役割を評価する場合はどちらの側面にも関心をもつ必要がある。
役割獲得モデル:内的期待と外的期待の葛藤を経て意思決定が成され、実行に移るというモデル
役割が人に与える影響は?
・活動内容が決定し、ある程度規則的な生活習慣の獲得
・生産活動からの引退や親しい人との別れにより崩れやすいアイデンティティの獲得
生きがい=人生に対する肯定的思い、自己存在の意味
・実動作に介入・・・・・・・・・・・・・・実行
・周囲の人を巻き込む・・・・・・・・・外的期待
周囲の人を巻き込むってかなり重要ですよね。医療関係者に認められても嬉しいけど、CLが本当に認められたい人がいるはずだから。人から期待されるって、誰だって嬉しいことだよね。
⑤澤田辰徳先生
「役割や生きがいへのアプローチ」
この方は初対面です。でもツイッターやfacebookですでにお世話になっています。またステキな方なんですよ。CLやOTに一途です。
具体的なケースを通して齋藤先生のお話を広げてくださいました。
まだ改善の見こみのある幼稚園の園長先生が急遽退院を希望した・・・年末の忙しい時期。自分には、やらなければいけないことがたくさんある。だから帰ります、と。本心を知らずに介入していたと後から気付いた。退院後に連絡をくれ、元気にやっているということだったようだ。
80代、独居女性。持ちマンション。だと言われていたが、実は血のつながらない妹の持ちマンションだった。料理は嫌い、といわれるのに病院での訓練は料理が多い。CLは好きではないのにやろうとする。腑に落ちなかった。宅配弁当でもいいのでは?面接を重ねるうちに継母はご健在であり、自分も自分である程度のことはできている、と示したいこと、依然感じているいづらさからの気遣い、亡くなった父の世話は自分がやってきたことがわかった。
面接中に意識することは、点と点をつないでいくこと。
CLの真意に近づくために。
そして社会参加≒外出
外出が制限されると、社会参加が制限されることにほぼつながる。
しかし日本の診療報酬では敷地外でのリハはできないことになっている。
確かに病院にとっては診療報酬通りのほうが楽。
でもCLにとっては必要性が高い。
OTはどこを向いて仕事しているのか?
初日終了!
懇親会に参加してきます★
あんこ