あんこの会
あんこがはみ出るくらい日々奮闘中のセラピストたちのブログ。 ぜひご一読を!
心が動けば体が動く!
- 2013/05/29 (Wed)
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2013年5月26日
福島県作業療法士会総会。
今回は30周年特別記念講演。
藤原茂先生による
『心が動けば体が動く-人生が面白くなる作業療法-』を拝聴しました。
あの、藤原先生の講演ですよ。
1.施設紹介
山口県のデイサービスセンター 夢のみずうみ村。
系列の施設はいずれも『人生の現役養成道場』と書かれている。
仕事には定年があるが、人生は生涯現役!である。
道場=本人が望んで入るところ≠家族の希望で入る場所
リハビリプログラムは自己選択、自己決定。
みんな自分から動いてスケジュールを決める。
帰りの送迎車も自分で決める(デザイン、色、ナンバーの異なる車)。
食事も自分で好きなものを選択して取っていく(いつもバイキング形式)。
五感と食欲を刺激する環境、人のなかでの動き方、社会性・・・
それらすべてがアクティビティ。
わざと狭い空間や人ごみを作り出す
利用者さんが動き回る=転倒のリスクが高い。
自宅で考えられるリスクをわざと配置した環境をつくる。
その中で生活すること自体がリハビリとなる(バリアアリーな空間)
さらに・・・
物入れとして使っているタンスは身体機能に合わせて高さを配慮。
廊下はあえて狭い造り。手すりがあるだろうところにはロープが設置。
人の多い空間は日常生活に近い状況。声を掛け合って過ごす環境は社会性の訓練。
マットを敷いて安全に転倒練習をする部屋。
カラフルで楽しそうな空間は縁日をイメージ。
手すりなんかついてない家が当たり前。段差のない家のほうが少ない。
タンスにつかまったり壁に寄りかかったりしても移動できる。
施設内通貨(ユーメ)を貯めて、ギャンブルもできる。
自分の獲得したものを自分のために使うことができる。
自立(自律)=ひとりひとり違うもの
自立(自律)を引き出すのがリハビリ
自分から動こうとする環境がその施設にはある。
それができる環境がそこにはある。
意思を、こころを動かすしかけや仕組みがそこにはある。
2.作業療法士とは?意思とは?
作業療法士とは『意思』を引き出す専門家
見えない『意思』と関わり、引き出す。わかりにくいものをわかりやすいように。見える化。
理学療法士と同じことをするPTもどきや、
わかったようなことを言っていても『意思』のない関わりをしているような人は
偽物の作業療法士。
『意思』とは、
ああしたい、こうしたい
生きる力
自分らしさを保つ力
考える力
わかる力
人と交わる力
「あなたは生きていますか?」
「生きる意思がありますか?」
「生かされている」⇒「生きている」⇒「生・き・る」
⇒OTは「生きる」を目指す
意思=「ゆめ」
そばに寄り添って、
一緒に、「できそう」か「できなそう」かを考える
知識より意識。
「目の前にいるあなたを私は放ってはおけない」
真のOTは「意思」を動かす・・・
発症してまもなくは「生かされている」状態。
寝たきり、延命処置・・・
OTが関わることで
感覚を引き出す、
本能がうごめく、
活動が広がる、
ヒトの輪に入る、
居る機会ができてくる、
自己選択や自己決定が行われるようになってくる
=意識の目覚め現象
達成感(その場限りで持続力はないシャボン玉のような)が増え、
⇒有能感が高まり(ゴム風船になった!)、
⇒生きがいに!!
=意思のはじけ現象(はじけちゃった!!!)
例えば、
「片手の(片麻痺)料理教室」では、50種類の料理ができたら「初段」、「初段」の方が料理教室を10回やると「師範代」の称号が貰える。指導するという「役割」が生まれる。
=作業療法
OTが行う作業活動は、達成感のシャボン玉が随所に何度もちりばめられている。
有能感のゴム風船。これをしっかり使える作業療法士に。その先にいきがいが生まれる。
生きがい階段=生きがいを作る階段
OTは意識的に学問として習い、体験として知っているはず。
それを理解していないOTが、もしいたら辞めたほうがいい。
意思=様々な特性
見えない「意思」を捉えて関わる。
「意思」は「イイね階段」と「(やらなくて)いいよ階段」のらせん階段になっている。
誰でも「(これも、あれも)イイね階段」、「(やって)みよう階段」、「(やらなくて)いいよ階段」を持っている。
OT
=絡まっている階段をほどいて「イイね階段」を見やすくすることが仕事
OTの確固たる部分。
意思のらせん階段をどれだけOT自身が承知しているか?
3.「心が動けば体が動く仕掛け」10か条
①自分の意思を持って実践しよう
②身の回りのことを自分で処理しよう
③移動の自由を確保し、積極的に動き回ろう
④身体の動くところはしっかり動かそう
リハビリ漬けは、やめよう。
⑤孤立しないように第三者との関わりを持とう
対人接触度を上げる。人の輪に引っ張り出す。
⑥時間を意識して行動し、何か予定を立てよう
⑦動き始めたら一区切りつくまでやり通そう
⑧自分の活躍する場や役割を持とう
⑨やったことがないことに挑戦しよう
⑩エネルギッシュに暮らそう
リハビリ
=不便さはあっても生活に支障がないようにする
=生きていることに不安がなく、満足で、楽しい状態を目指す
OT
=機能が改善しなくても「生活や人生の回復」を目指す
介護
=介助の必要な部分をわかっていて実践できる(「たす」、「ひく」ができる)。
不要な介護はしない。
最後に言いたいこと
HEARTFUL:知識は不要。意識!心!
POWERFUL:走れ!動け!
SMARTFUL:考えろ!!!
金子みすず
みんな違ってみんないい
★夢のみずうみ村のスローガン★
直接拝聴してみて・・・
OTってすごい!!!
厳しい言葉もたくさんいただきました。強烈な言葉もいただきました。まだまだだなって再確認しました。
でも、すべてわたしたち後輩への激励。
PTとの比較にも日々悩んでいます。
PTとの違いを説明できない自分にがっかりもします。
でも、今ここでできることを精一杯やっていく。
決意を新たに臨床やってみます。
あんこ
この記事へのコメント
無題
やばい…泣ける…
泣いてる場合じゃないですけど…。。
OTとして働けるように日々頑張りましょ~♪
おじゃましました^^
無題
私も名前だけじゃなくてOTになれるように頑張ります(>_<)!