あんこの会
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- 2013.12.10
在宅ケアに必要なフィジカルアセスメント①
- 2013.12.10
画像の勉強会~皮質脊髄路について~
- 2013.12.03
脳とパーキンソン病
- 2013.12.02
あんこ(google)ドキュメントの使い方
- 2013.10.25
画像から人間の可能性を引き出す! ①脳の線維連絡とその障害
在宅ケアに必要なフィジカルアセスメント①
- 2013/12/10 (Tue)
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訪問業務に慣れ、リーダー業務なんかも行うようになって忙しくも充実した日々が送れていると思います。
が、しかし!
「本当に目の前の利用者さんに向き合えているのだろうか?」
忙しさにかまけて、基本中の基本がおろそかになっているのではないかと考えました。
そこで今一度基本に立ち返ってみることにしました。
長くなりそうなので小分けにしていきますね(^_^;)
「在宅ケアに必要なフィジカルアセスメントについて」
①フィジカルアセスメントとはなにか?
フィジカルアセスメントはヘルスアセスメントの一つとして位置づけられています。
ヘルスアセスメントの中にフィジカルアセスメントが、
フィジカルアセスメントの中にはフィジカルイグザミネーションが存在します。
イグザミネーションは診察のこと。いわゆる問診、視診、触診などがこれにあたります。
もちろん普段のバイタル測定もこの一部。
フィジカルアセスメントは
面接による病歴聴取→フィジカルイグザミネーション
→臨床推論
といった順序で進めていきます。
※臨床推論:異常所見を見分け、何が起こっているかという観点から所見を解釈し、
患者(利用者)の問題について仮説を立て、看護(リハ)計画を立案する
長くなるのでまずはここまで。
また時間見てアップしまーす(*^_^*)
あんこ
画像の勉強会~皮質脊髄路について~
- 2013/12/10 (Tue)
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まだまだわからないことだらけで,日々勉強だと思いました.
本日のテーマは皮質脊髄路(錘体路)
①CT,MRI画像で錘体路の経路とホムンクルスについて追っていきました
中心溝のレベル:大脳縦列→足→手→顔
内包後脚のレベル:中心部(上部)から外側(下部)にかけて顔→手→足
大脳脚のレベル:内側から外側にかけて 顔→手→足
脊髄レベル:内側から外側にかけて C→Th→L→S
②脳神経はMRIで見えるか
⇒ MRIの元の画像ならスライスが薄くて見えるのもあります
Ⅲ,Ⅶ,Ⅷは見えるけどⅨ~Ⅻは細くてよくみえない
③4野と6野,筋緊張の亢進について
筋緊張の亢進→上位運動ニューロン障害(主に4野:1次運動野)による.
(例外:ALS.上位も下位も障害されるんで)
4野(1次運動野)の障害はすぐに痙性が↑
6野(運動前野)の障害では一時的に筋緊張低下.
* 6野は4野に抑制で働いている.
* 筋緊張亢進=まだ随意性向上の可能性があると判断.
Drはリハビリでどの程度伸びるかの目安にしている,と.
④脳梁と膝の病変について
膝の障害→連合運動の障害
脳梁の障害(脳梁離断症状)→視覚に影響
MERS=脳梁の可逆性脳症・・・難しい
⑤聴覚がCIだと障害されないのはなぜか
⇒聴覚路は8割が対側,2割が同側と両側支配なので
片方がやられてももう片方でカバー
=CIで耳が聞こえなくなるということは考えにくい.
あんこ
脳とパーキンソン病
- 2013/12/03 (Tue)
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脳とパーキンソン病
PDは進行性の基底核変性疾患.
正常では,
基底核内の直接路と間接路のバランスによって大脳皮質は制御される.
PDでは,
黒質のドーパミンが変性し、
基底核からの抑制性出力が増加(直接路が抑制できない).
過剰な出力(間接路は促進)により,
意思発動(前頭前野),運動プログラム生成(6野),随意運動の指令(4野)が
それぞれ低下する.
これにより,随意運動の速度が低下し,運動量は減少,
筋緊張抑制系の活動が低下することで筋緊張は亢進.
歩行運動系に対する過剰な抑制は歩行障害を誘発する.
一般的に言われる主な運動障害は,無動,振戦,固縮,姿勢反射障害.
しかし運動機能よりも自律神経症状(迷走神経メイン:嚥下障害、発汗)が
先行しやすいことから,発症に気づかないことも多い.
【病態】
中脳、橋、基底核、青斑核の神経細胞数が減り、白質化する.
基底核:運動の出力量の調節
基底核の異常は多くの場合に不随意運動を起こす
(=随意運動の実行に深く関わる)
青斑核:PDの経過の中で黒質と同様に変性を認めることがあり、
すくみ足など一部の症状との関連が推定されている
黒質の細胞数は老化に伴って減少.
健常者でも80歳代では細胞数が40%以下になることがある.
こうなるとPD様症状が出現.
【症状のメカニズム】
4つの基底核ループ
①運動ループ
大脳皮質運動関連領域→被殻→淡蒼球内節・黒質網様部→
視床腹側核→大脳皮質運動関連領域
⇒障害されると・・・運動の抑制↑・・・無動
・・・抑制の解放↑・・・不随意運動
②眼球運動ループ
大脳皮質眼球運動領域→尾状核→淡蒼球内節・黒質網様部→
視床前腹側核・背内側核→脳皮質眼球運動領域
⇒障害されると・・・急速運動後に定位置に保持できなくなる
(サッケード障害:眼球の急速な共同運動)
③前頭前野系ループ
◎背外側前頭前皮質ループ
前頭前皮質背外側部→尾状核→淡蒼球内節・黒質網様部→
視床前腹側核・背内側核→前頭前皮質背外側部
◎眼窩前頭皮質ループ
外側眼窩前頭皮質→尾状核→淡蒼球内節・黒質網様部→
視床前腹側核・背内側核→外側眼窩前頭皮質
⇒障害されると・・・遂行機能障害、手続き記憶の障害
④辺縁系ループ
前帯状回→腹側線条体→淡蒼球内節・黒質網様部→
視床背内側核→前帯状回
⇒障害されると・・・情動、感情の表出の障害、意欲の低下、
社会的認知機能障害
【その他の症状】
感覚障害
=疼痛、異常感覚、固有感覚、嗅覚の障害、感覚統合の異常.
重度の嗅覚障害を持つPD例は3年以内に認知機能が低下する.
嗅覚障害のない方は認知機能は落ちない.
嗅球(嗅覚を感じる部位)が前頭前野(眼窩前頭皮質)に
隣接しているため・・・
前頭前野は人間らしさをつかさどる部分でしたね。
*嗅球:嗅葉の一部
社会的認知機能の低下
=他者の恐怖や嫌悪の表情が認識困難となる.
また表情のみでなく,健常者では覚醒度の高いといわれる視覚刺激
(大怪我をした人の写真など)に対する情動反応も低い.
(扁桃体は情動の評価に重要な役割を果たしており,特に恐怖や嫌悪に関与する.
扁桃体を中心とした辺縁系の機能不全との関連が指摘されている)
記憶障害
=手続き記憶が保持できない
手続き記憶は,運動性技能学習,知覚性技能学習,認知性技能学習に分類され,
基底核,小脳が障害されると手続き記憶の障害が起こる可能性がある.
新たな知見をお持ちの方はご教示ください.
あんこ
画像から人間の可能性を引き出す! ①脳の線維連絡とその障害
- 2013/10/25 (Fri)
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『脳機能解剖学的視点からみた脳卒中のリハビリテーション』
2013/9/25に
千里リハビリテーション病院で副院長をされている吉尾雅春先生の講演を聴いてきました。
今回はエキセントリックが紹介させていただきます。
一番前の席があってラッキーと思ったら、いつの間にか先生にいじられて講演のアシスタントみたいなことをさせられてました。
あんこのメンバーで勉強をしていたおかげで半分くらいは置いてけぼりにならずにすみました。そんなわけで紹介します。
注・先生の講演をエキセントリックなりにまとめたものなので実際の内容と違い順不同だったりします。
はじめに
MRI画像を見ながら先生は言いました。「この方のBrunnstrom stageはⅡレベルです。歩けると思う方は手を挙げて」
・・・明らかに梗塞巣は広範で、発症から時間も経っている方でした。
会場はシン…と静まり、恐る恐るといった形で
多くの方が『歩けない』ほうに手を挙げました。
先生は残念そうな表情をし、そして後のスライドで写真を見せてくれました。
・・・大多数が『歩けない』と評価した方が裸足で歩かれている!
画像をみれば明らかに治る可能性が本来ならばある、
現象だけでその方の人間としての可能性をつぶしてはいないか
・・・僕の心にズシンときたのでした。
もう一度、機能解剖から見直そう・・・
というわけで、全4回シリーズでいきます!
1.脳の線維連絡とその障害
・ ブロードマン・エリアは必ず覚えましょう。・ 小脳=大脳の協調性
・ 大脳の連絡線維
上縦束・・・視覚空間認知に携わる。急な情報も伝達可能。
弓状束で言語野にかかる。
下縦束・・・見たものの好き嫌い、どんなものかを伝える
鉤状束・・・見たものに近づく(好き)か逃げるか(嫌い)する。
脳梁・・・左右の大脳半球を連絡。
ex)見たもの(右半球)に名前をつける(左半球)
下前頭後頭束…目で見たモノを伝える;側頭葉⇒頭頂葉⇒前頭葉
(伝達速度は遅い) ↑伝達経路はよくわからなかった…
* ペナンブラの領域では脳の線維もお休みしてしまう
・ 基底核の写真(ご遺体)・・・線維が縦横無尽に走っている
=さまざまな箇所でシナプスが連絡を取り合っている。
・ CPの方のCT・・・脳実質上で黒っぽく写る=低吸収。水びたしな状態。
なぜ?⇒神経線維の間引き、脱髄による。
樹状突起が無くなる。
樹状突起が無くなる。
≒アルツハイマー型認知症:シナプス結合が少ない=学習が難しい。
・こんな事例も…
回復期で水頭症により徐々に症状が進行しているのに
画像診断をされず1年間、寝たきりになる方が!
→画像を見ろ!
・運動前野や補足運動野が障害されているとスムーズな動きができないか?
→体性感覚野や上頭頂連合野を賦活すればよい!
・脳室の天井レベル(ハの字レベル)では嚥下機能(顔面・咽頭後頭関係)が障害されやすい
・内包:皮質網様体路~補足運動野;姿勢に関わる←ちょっと怪しい…
・こんな事例も…②
明らかに広範な右MCAのCI。でも皮質脊髄路がいきている!
→BRS 下肢stageⅣ、上肢Ⅱ
・脳神経の覚え方
嗅いで見る~は、機能的に見ると意味がない
嗅、視、動 /滑、三、外 /迷(略)
中脳 / 橋 / 延髄 で覚え、
どこまで障害され、どこからがいきているか確認する。
・過緊張=筋力が足りない為、過負荷によるもの
抑制すればよいわけではない
・右上肢がstageⅢの人。ギターは弾ける・・・?
⇒できる! 第47回日本作業療法学会で発表されたようです。
・残存している皮質脊髄路の興奮性は3ヶ月で急激に低下。
・・・廃用によるもの!(2013年9月号のメディカルリハビリテーションにも載ってました)
つづく。