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あんこがはみ出るくらい日々奮闘中のセラピストたちのブログ。 ぜひご一読を!

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脳機能とリハビリテーション その4

最後に...心のお話


医学的には,『感情』と『情動』の2つに分類される
  感情:高度に発達した,高次認知機能とのかかわりによって生まれるもの
  情動:動物的本能や身体感覚に基づく,無意識的な現象


ソマティック・マーカー仮説
(外部からある情報を得ることで呼び起される身体的情動:口渇、発汗など)を提唱した,Damasioによる情動の分類
  一次情動 :本能的な情動
        (恐怖,驚き,嫌悪,驚き,悲しみ,喜び)

  社会的情動:集団と関わるときに必要な情動
       (思いやり,困惑,羞恥心,罪悪感,自尊心,嫉妬,尊敬,感謝,賞賛,軽蔑)



意識とは無関係,でも心と強くつながりを持つ扁桃体

また,以下の領域と機能的連結によって重要な領域となる
 
 ・海馬とは,不快な刺激からの逃避のため密に連絡しており,記憶の固定化を図る.
  海馬の構成するPapezの回路(記憶)扁桃体の構成するYakoblevの回路(感情)
  連結し,情動を伴う記憶が固定化されやすい状況を作る
 
 ・視床下部(生命維持に重要な部位)とは,緊迫した状況下で迅速な行動をとる
 ・前頭前野(脳を覚醒状態に保つ)とは,問題解決や判断を司る


 (例)実験
    ラットに音を聞かせると同時に電気ショックを与え、
    聴覚条件づけ(恐怖条件づけ)を行うと、
    刺激(音)だけで血圧上昇反応が起こるようになる。

    音と痛みは無関係の刺激.
    でも,これを反復されると,
    『音が鳴れば痛み刺激がくるのでは』と扁桃体は誤解する(条件反射).


 扁桃体の情報処理機構
 低位回路(視床~扁桃体) 
      突発的な危険から逃避するための回路
      何となく不安や恐怖を感じ、冷や汗や動悸など身体の生理現象を引き起こす
 高位回路(連合野〜扁桃体) 
      低位回路からの指令を冷静に分析・判断し,逃避を抑制する回路


 偶然であったとしても,負の生理現象と組み合わさると
 ラットの実験のように条件づけが起き,気持ちの切り替えが困難になる

 条件反射消去のメカニズム
  できあがった条件反射を消したいとき.
  条件反射を引き起こす刺激を入れ,その都度無関係刺激を与えないことを繰り返す
  この反復により,消去(条件反射がなくなる)が起こる

 もし,セラピストが嫌な条件反射の引き金になってしまったときは
 いち早く消したいですね.

 


 CLの顔を見ているか?
 無意識に怖い顔をしてないか?
 負の条件反射を作っていないか?
 CLに安心感を持ってもらえているのか?

 CLの前頭葉が
 『この人いやだ』と判断し、条件付けが起きた場合、信頼関係の構築は難しい
 そんな刺激が入らないよう,セラピストは表情,態度,仕草など細かい部分まで意識したい

CLに正の感情を持ってもらえたら、運動学習はより効果的に

また、
運動学習やその後の行動変容には腹側被蓋野から分泌されるドーパミンの働きが重要
ドーパミンの分泌されない活動は習慣化されないために忘れていく

行動は,
『期待される報酬の量』と『実際に得られた報酬の量』の差で決まる
(またやろうorもうやらない)
『期待される報酬の量』よりも『実際に得られた報酬』が上回れば,
その行動は習慣化されていく
=CLが見積もりを超えられるような設定を.

細かな段階付けが大事ですね.



報酬系には、
<アンダーマイニング効果>
自発的に始めた活動でも、後に外部報酬を追加し,その報酬がなくなると
もともと自発的に始めた活動だったにも関わらず興味を失い,やめてしまう

<自己報酬系> 
内発的動機に基づいて、その行動自体に喜びが見出されている場合、
課題自体の報酬は保たれる


安易な外的報酬で,自己報酬系を壊さないようにしたい.
CLのやりがいやいきがいに関連する作業であれば、能動的に動く。良い循環ができあがる。

大切なことは、
何をするか(内容)ではなく、なぜしたいのか(理由)



人は、楽しいから笑うのか?笑うから楽しいのか?

よく言われる,鶏が先か卵が先か... 
顔面フィードバック(表情は脳からの司令で作られるが、表情を作ることで脳に表情が伝わり、表情に応じた感情が起こること)の存在も実験で明らかに。
 この、強制的に作られた笑顔でもドーパミンは分泌される。



よりよい行動を起こすため、
 外側前頭前野が複雑な認知情報を、
 眼窩前頭前野が行動の情緒的側面を
 内側前頭前野に統合し、道徳・社会的に妥当かを判断しながら行動に反映させる

さらに、内側前頭前野は扁桃体、前部帯状回とも連結
障害されると本能的な要素(直観や無意識)が強い大脳辺縁系の活動が大きくなり、
言語や認知的なやりとりが困難に
そのため、非言語的コミュニケーションが重要となる
意図があるときは,『あるらしく』振る舞うことで,より伝わる.
健常者ですら言語よりも非言語的情報のほうが伝わるとの結果が出ていますもんね



大まかな表情認知は扁桃体が担う
扁桃体が一番活動し、行動を導く表情は,閉口し目が笑っている微笑みの状態
扁桃体は人の目を見て判断している



ソマティックマーカーのように身体が先に反応して脳を制御するという考え方や
ミラーニューロンのように他者を模倣し、共感を得る神経活動もある

セラピストの感情はCLに伝染する
セラピストはCLの目を見て、微笑んで、『らしく』いたい



さらに人は、
他者から『見られている』と行動が変わる
 
 
 
社会的な行動は向けられた視線に基づく
 >面白い実験・・・
 会社にある、自由に飲んでよいコーヒーメーカー
 その隣には自由に金額を設定し、支払える箱
 金額は自由にも関わらず壁に人の目の写真を貼っておくと、
 景色の写真などそれ以外に比べて高い金額を払う

 


講師の坪井さんが提唱する、
『眼差しのリハビリテーション』

セラピストの眼差しが、CLにとっていかに重要か。


また,視線追従はアイコンタクトがないと行われないことがわかった

扁桃体には,
アイコンタクト、顔表情や視線方向に選択的に応答するニューロンが存在!!
社会的知覚(認知)に重要な役割を果たしていると考えられている
またその社会的知覚には、上側頭溝、眼窩前頭皮質の存在も重要

能動的注意を促す際にも利用したい共同注視
そのためにもアイコンタクトを.
さらに,
アイコンタクトを意識した共感的態度を示しながら関わると信頼されやすい

アイコンタクトから共感が生まれ、
共感からその人を信頼しようと意図したときに尾状核が働く

  共感の三大因子
  ・メンタライジング(認知的共感、志向性、心の理論)
  ・向社会的感心(共感的動機、思いやり、共感的感心)
  ・経験共有(感情移入、自他表象の共有、感情の伝染)


また、
自己と他者の興味が合致した際の感覚情報の統合に関わる側頭ー頭頂接合部(TPJ)
CLのTPJに『不一致』を感じさせないように関わりたい



『心の理論』
有名なアンとサリー課題
自分の思いとは違い、他者には他者の心があることを知っている
自閉症の想像力や社会性,コミュニケーション障害は『心の理論』の障害といわれている



『心の理論』を前提に.
持ち合わせていたいのは,
『Not knowingという,専門家としてのスタンス』
Not knowing
あなた(CL)はどう考えているかわからないから、教えて欲しい

押しつけがましい,上から目線のリハビリではないか?


そして,
『mustではなく,wantであること』
主体的な気持ちを大切に





勉強不足で本当に残念なブログです。
坪井さんの言いたかったこと、全然伝わらないかもしれません。
坪井さんのお話はこんなにぶつ切りではないですからね(TT)
すみません.



ご不明な点は、
岐阜脳卒中リハビリテーション研究会 坪井祥一さんまでお問い合わせください。
http://gifunousocchuureha.blog.fc2.com




大好きな坪井さんを,もっと大好きになって帰ってきました.


いつもいつもいつも.
ありがとう.




あんこ


くがさんもご一緒に、課外授業まで★★★

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