あんこの会
あんこがはみ出るくらい日々奮闘中のセラピストたちのブログ。 ぜひご一読を!
脳機能とリハビリテーション その2
- 2014/03/02 (Sun)
- 未選択 |
- CM(0) |
- Edit |
- ▲Top
運動前野とは?
運動先行型活動(自分が意識し考える前に,動作を行っている)に関与.
記憶、経験に基づいて判断する.
動作のプログラムを環境からのフィードバック前に経験からの予測を教えてくれる.
予測と一次運動野の感覚フィードバックが比較照合され,誤差を修正し,
塗り替えた予測が一次運動野に送られる.
ここが機能しなくなると,何をするにも同じパターンの動き方しかできなくなる.
→①運動観察
②運動イメージ
③目的指向的動作
3つの機能を掘り下げると,
①運動観察
ミラーニューロンシステム(MNS)
=他者の動作を見たり真似したりするときに発火する神経細胞
運動の意図の理解に関わると言われている
腹側運動前野・下頭頂小葉・側頭葉後部の相互作用
『目的のある運動』はMNSがより活動する
「環境設定した状態」や「動作の部分のみ」を映した写真を視覚刺激として与えても
MNSは働かない
環境と意図、行動が組み合わさった状況を見て、はじめて働く
=実際の現場で,実際の道具を使って練習する。難しければ,できるだけ近い状況を作り出す
また,
その活動が自分にとってどれだけ関連があるか,習熟度はどの程度かも大切
その動作を経験したことのある人が観察した時,ミラーニューロンの活動は高まる
経験のない人がバレエを見ても,「綺麗だな,すごいな」くらいだけど
プロのバレリーナがバレエを見ると,MNSが働く
=提示する課題を選択するポイントの一つ.
その作業はCLの文脈や生活にどれだけリンクしているか?
ミラーニューロンを働かせるには
・模倣を前提に見る
・自己と関連性が高い動作である
・ポイント(注意を向けてほしい部位)を伝える
②運動イメージ
≠知覚再生,ワーキングメモリ
一次運動野の賦活が大切なのは前回も記載した通り.
そのほか,イメージするだけでもNew M1の活動性は高まる!
「イメージ」と一言に言っても,かなり幅広いため、できるだけ具体的に伝える.
どんな姿勢で,何秒間,どの程度の動きを行うのか?など
* 近年では、BMI(ブレインマシンインターフェイス:脳波を解析、電気信号として入出力を
行う機器)を使用し、脳でイメージしたことを機械で実現する研究もされている
* 運動イメージにはPETTLEPモデルなどの考え方も出てきている
ポイント
・ヒトは,経験したことしかイメージできない
他動で経験してもらい,その際に感覚に注意を向けてもらう
・次は実際にイメージしてもらう
身体練習と組み合わせて,実際の動きの中で.
・イメージする事象の焦点化.ポイントを絞って伝える
③目的指向的動作
運動前野には,目的にあった特異的なニューロンの存在が明らかになってきている
小さな物体をつまむ時だけ働くニューロン・・・
食事のときの捕食動作時のみ働くニューロン・・・
「つまみ」を目標にROMexをしていても,
実際につまんでみないと”「つまむ」ニューロン”は働いていないかもしれない
運動前野は,実際場面で実際のものを使わないと働かない
<運動前野と補足運動野のおさらい>
・運動前野
視覚,空間的な位置関係の把握(外部情報に基づく)
腹側運動前野:視覚イメージから物理的な動作への自動的な誘導
背側運動前野:運動開始前の準備状態を作る,感覚信号と動作の連合
・補足運動野
基底核や前頭前野とつながり,経験、記憶から運動へ
固有補足運動野:動作の自発開始過程,連続動作の円滑な遂行
前補足運動野:動作の切り替えや順番情報の生成,時間的制御
*運動前野と補足運動野は相反関係にあり、パラレルニューラルネットワークを形成
視覚・空間的な情報と経験・記憶からの情報は別のネットワークを形成しているが、
視覚・空間的な情報を経験として取り込むなどの相互作用も持ち合わせている
<姿勢制御にも関わる部位>
基底核(自動的に姿勢の筋緊張の調整)、小脳(身体の揺らぎにおける誤差を検出)の
2つの部位は目的的な動作を行う際に上肢活動と姿勢制御を同時に支配する
運動前野の仕組みはわかった。じゃあ、どうするか?
運動前野の機能を発揮するためには
自己の身体イメージが大切
=身体所有感、運動主体感が必要
身体失認があると機能の発揮は難しい。
<身体所有感>
頭頂葉や後頭葉が障害されると、空間的・時間的にずれがおこり、身体失認が起こる
身体所有感を持つには体性感覚や視覚情報が空間的・時間的に一致することが必要
例)自分が思ったタイミングで手挙がる
<運動主体感>
運動主体感は体性感覚・視覚情報と遠心性コピーのマッチングが必要
関節組み合わせニューロン
→手首と肘、など。より日常に近い動きをすると発火
関節皮膚組み合わせニューロン
・下頭頂小葉
視覚と体性感覚の両方に応答するニューロン
下肢は視覚に頼らないことが多いが、上肢は視覚との組み合わせが多い
運動主体感を擬似的にでも実現するもの
=自動介助運動
(いきなり他人に動かされるのは嫌ですよね。ちゃんと声かけしてますか?)
まずどのように動くのか、予測してから,実際にやってみてもらう
このときの誤差を埋め合わせて学習する
この誤差の埋め合わせをセラピストが手伝う
誤差が修正され,新たな予測が生まれる
⇒一次運動野に反映される!
⇒動作に繋がる!!
まとめ
運動は運動前野だけでやっているわけではなく,各領域の相互作用によるカタチ。
神経の可塑性により減ってしまう部分をどうにか維持したい,してほしい
そのためには,これから行う,行っている運動に対し,能動的に注意を向け、
具体的にイメージできるよう援助する
その3へ
あんこ
運動先行型活動(自分が意識し考える前に,動作を行っている)に関与.
記憶、経験に基づいて判断する.
動作のプログラムを環境からのフィードバック前に経験からの予測を教えてくれる.
予測と一次運動野の感覚フィードバックが比較照合され,誤差を修正し,
塗り替えた予測が一次運動野に送られる.
ここが機能しなくなると,何をするにも同じパターンの動き方しかできなくなる.
→①運動観察
②運動イメージ
③目的指向的動作
3つの機能を掘り下げると,
①運動観察
ミラーニューロンシステム(MNS)
=他者の動作を見たり真似したりするときに発火する神経細胞
運動の意図の理解に関わると言われている
腹側運動前野・下頭頂小葉・側頭葉後部の相互作用
『目的のある運動』はMNSがより活動する
「環境設定した状態」や「動作の部分のみ」を映した写真を視覚刺激として与えても
MNSは働かない
環境と意図、行動が組み合わさった状況を見て、はじめて働く
=実際の現場で,実際の道具を使って練習する。難しければ,できるだけ近い状況を作り出す
また,
その活動が自分にとってどれだけ関連があるか,習熟度はどの程度かも大切
その動作を経験したことのある人が観察した時,ミラーニューロンの活動は高まる
経験のない人がバレエを見ても,「綺麗だな,すごいな」くらいだけど
プロのバレリーナがバレエを見ると,MNSが働く
=提示する課題を選択するポイントの一つ.
その作業はCLの文脈や生活にどれだけリンクしているか?
ミラーニューロンを働かせるには
・模倣を前提に見る
・自己と関連性が高い動作である
・ポイント(注意を向けてほしい部位)を伝える
②運動イメージ
≠知覚再生,ワーキングメモリ
一次運動野の賦活が大切なのは前回も記載した通り.
そのほか,イメージするだけでもNew M1の活動性は高まる!
「イメージ」と一言に言っても,かなり幅広いため、できるだけ具体的に伝える.
どんな姿勢で,何秒間,どの程度の動きを行うのか?など
* 近年では、BMI(ブレインマシンインターフェイス:脳波を解析、電気信号として入出力を
行う機器)を使用し、脳でイメージしたことを機械で実現する研究もされている
* 運動イメージにはPETTLEPモデルなどの考え方も出てきている
ポイント
・ヒトは,経験したことしかイメージできない
他動で経験してもらい,その際に感覚に注意を向けてもらう
・次は実際にイメージしてもらう
身体練習と組み合わせて,実際の動きの中で.
・イメージする事象の焦点化.ポイントを絞って伝える
③目的指向的動作
運動前野には,目的にあった特異的なニューロンの存在が明らかになってきている
小さな物体をつまむ時だけ働くニューロン・・・
食事のときの捕食動作時のみ働くニューロン・・・
「つまみ」を目標にROMexをしていても,
実際につまんでみないと”「つまむ」ニューロン”は働いていないかもしれない
運動前野は,実際場面で実際のものを使わないと働かない
<運動前野と補足運動野のおさらい>
・運動前野
視覚,空間的な位置関係の把握(外部情報に基づく)
腹側運動前野:視覚イメージから物理的な動作への自動的な誘導
背側運動前野:運動開始前の準備状態を作る,感覚信号と動作の連合
・補足運動野
基底核や前頭前野とつながり,経験、記憶から運動へ
固有補足運動野:動作の自発開始過程,連続動作の円滑な遂行
前補足運動野:動作の切り替えや順番情報の生成,時間的制御
*運動前野と補足運動野は相反関係にあり、パラレルニューラルネットワークを形成
視覚・空間的な情報と経験・記憶からの情報は別のネットワークを形成しているが、
視覚・空間的な情報を経験として取り込むなどの相互作用も持ち合わせている
<姿勢制御にも関わる部位>
基底核(自動的に姿勢の筋緊張の調整)、小脳(身体の揺らぎにおける誤差を検出)の
2つの部位は目的的な動作を行う際に上肢活動と姿勢制御を同時に支配する
運動前野の仕組みはわかった。じゃあ、どうするか?
運動前野の機能を発揮するためには
自己の身体イメージが大切
=身体所有感、運動主体感が必要
身体失認があると機能の発揮は難しい。
<身体所有感>
頭頂葉や後頭葉が障害されると、空間的・時間的にずれがおこり、身体失認が起こる
身体所有感を持つには体性感覚や視覚情報が空間的・時間的に一致することが必要
例)自分が思ったタイミングで手挙がる
<運動主体感>
運動主体感は体性感覚・視覚情報と遠心性コピーのマッチングが必要
遠心性コピー:運動制御においては運動の指令が運動野だけでなく、
その信号のコピーが感覚領野に送られる(詳細は後程聞きます)
・上頭頂小葉その信号のコピーが感覚領野に送られる(詳細は後程聞きます)
関節組み合わせニューロン
→手首と肘、など。より日常に近い動きをすると発火
関節皮膚組み合わせニューロン
・下頭頂小葉
視覚と体性感覚の両方に応答するニューロン
下肢は視覚に頼らないことが多いが、上肢は視覚との組み合わせが多い
運動主体感を擬似的にでも実現するもの
=自動介助運動
(いきなり他人に動かされるのは嫌ですよね。ちゃんと声かけしてますか?)
まずどのように動くのか、予測してから,実際にやってみてもらう
このときの誤差を埋め合わせて学習する
この誤差の埋め合わせをセラピストが手伝う
誤差が修正され,新たな予測が生まれる
⇒一次運動野に反映される!
⇒動作に繋がる!!
まとめ
運動は運動前野だけでやっているわけではなく,各領域の相互作用によるカタチ。
神経の可塑性により減ってしまう部分をどうにか維持したい,してほしい
そのためには,これから行う,行っている運動に対し,能動的に注意を向け、
具体的にイメージできるよう援助する
その3へ
あんこ
PR
あんこカウンター
相互リンク
最新記事
(09/21)
(09/03)
(06/04)
(06/01)
(06/01)
(05/27)
(05/27)
(05/13)
(05/11)
月ごとの記事のまとめ
最新コメント
[05/28 Shizuka]
[05/27 志木田孝治]
[12/10 エキセントリック]
[10/16 NONAME]
[09/13 カコ]
この記事へのコメント