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あんこの会

あんこがはみ出るくらい日々奮闘中のセラピストたちのブログ。 ぜひご一読を!

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OT全国研修会in秋田 1日目

平成25年9月7、8日

全国研修会に参加してきました。
去年は岩手盛岡、今年は秋田。
プログラムを初めて見たときは、大学の先生が多くて去年よりも現場の話は聞けないかも、と残念に思って参加も迷った。
今思えばなんて失礼なことを思っていたんでしょうね。

私の参加したコマしかご紹介できませんが、とてもとても素敵な2日間でした。
金曜から前泊。21時秋田駅着。3軒飲み歩き笑




1日目


①『国が求める作業療法士の社会的役割』   
  厚生労働省 宮永敬市先生 

この方はOTです!現在厚労省に所属するOTは3名。
こんな方々が国で戦ってくれているんですね。
 

高齢化率は上がる一方。その分、独居高齢者、高齢者夫婦のみの世帯も増加の一途。
ただこの高齢化は高齢者の人数が増えるわけではなくて。生産年齢人口が減るから。
介護保険料は平成12年設置当初は2900円/月だったが、今は5000円/月。

OTに何ができる?
OTはその人の医療も生活も生き様も知ってる。人を横断的に見れるのがOTでしょ?
まだまだ多様性があるはず!!!

現在、地域包括支援センターへのOT配置は全体数の1%。
全てのセンターにOTを配置したい・・・
現在全国に約7000箇所あるセンター。まだまだ足りない。
目標は中学校単位に1つ。
となると目標数は10000か所。
自立支援サービス
=そもそも利用者の生きる力を促進するもの。
=現状はサービス利用者の1/3は1年後に悪化。確かに加齢や廃用の影響もあるだろう。
=それにしても、訪問リハ、通所リハともほぼエンドレス。終了者は年5%以下。  
  老健は自宅復帰を目指す場所とされているのに平均在宅復帰率は2割。  
  全国3/4の老健がここ1か月でまったくベッドが回転していない。

本当にこのままでいいのか??
研究結果では、社会参加している割合が高いほど、うつ病や転倒、認知症者の割合が少ないことが報告されている。
高齢者の社会参加をもっと増やせないか?
確かに高齢化率は高まっているが、現在健常高齢者は8割。
この方々を支援者側に持ってこれないか?

健常高齢者だって、まったく生活に困っていないわけじゃない。
買い物や電球交換、模様替え、自治会の集まりに行けない、料理など日々困って生活している。
そこで目指しているのが、『地域包括ケアシステム』。
各地域の実情に合った支援。
介護保険がなくても、その地域に、その地域の住民が住み続けられるように。
住民が主体となって、住民のやりたいことの支援をOTがやる。
自助・互助をはじめとした地域福祉、コミュニティの構築に、OTが貢献できるはず。

さらに認知症の支援。
認知症初期集中支援チーム』。
来年度まで全国でモデル事業実施。現在制度化検討中。
内容は困っている方がいた場合に訪問して評価、6か月間支援し、自立生活のサポートを行う。


予防モデル事業
PT、OT必置!!!
内容は、 
・訪問:生活行為を現場で評価し、アドバイス 
・通所:利用⇒卒業⇒地域主催のサロンへ      
 この流れに乗った方は家事参加者が増加・・・      
 CLが目標を持ってサービスを利用すれば社会参加率は上がる!      
 ケースカンファレンスにOTが参加すれば生活行為の見通しが立てられる 
・生活支援


何をやっているんだ、まだできるでしょ!と背中を押していただきました。
お役所の中ではOTなんか肩身が狭い印象がありますが。
国民にOTを啓蒙するため、日々奮闘されている方がいるということが大きな励みになりました。



②『作業は人を健康にする~これからの協会のあり方~』   
  
中村春基会長

 
冒頭から衝撃的でした。
30年後には病院が減る。高齢者の死亡により。
より在院日数の短縮化が求められ、
急性期と回復期を合わせて60日以内になり地域生活者が増加し。
OT人口は年々増える。仕事がない。

さてどうする?


OTは、対利用者でのみ仕事をしていたら限界が来る。
対地域、対環境で働かないと!

診療報酬改定に向けて、現在まとめている申請内容は。

・入院期間短縮のため、急性期病棟にOT専従
・外来と介護保険の併用
・精神科リハ計画書の算定、精神科のダウンサイズのため、個別介入を増やす


◎他国のOTとの比較・・・

イギリスはOT認知度がかなり高い。
生活に困ったらOTに相談に来る。
福祉機器展示場も多数存在。福祉機器に迷ったらOTに相談に来る。
国家試験がないため、養成校の卒業目標が『1人前のOT』。実習は9か月。

グレード8段階でOTが分類され、CLはOTを選べる。
G1~3は担当CL3人、G4~8は2人。
「7人も担当して(当時の会長の担当人数)、生活支援なんかできるの?」

デンマークでは一般市民向けの福祉機器講座が年50回開催。

フランスはPT75000人、ST21000人、OT8000人。
病院勤務率はPT21%、ST5%、OT94%。(フランスは悪い見本。こうならないために国に訴え続ける)




◎チーム医療推進のための要望
・OT協会の組織率(協会加入率)は73%。 約30%は協会に入っていない。
未加入のOTの質を担保するには? 法律に基づいて卒後研修を取り入れたい。
・免許更新制度の設置
・指示の積極的運用、活用範囲の拡大 
 Dr指示の元、ではなく、OTのことはOTに責任を
・もっと「連携」できるよう、項目を追加してほしい


◎精神科
・アンケートでは2時間1単位は長い・・・・・・・・・・・・・・・・・89%         
         身体機能への関わりの必要性を感じる・・・90%


◎災害対策
・各県一人OTを選出、地域コーディネーター研修を。

◎目標はイギリス
・日本もグレード化したい。
 グレードを利用者に公表し、利用者がOTを選べる環境を。
・PTまがいのOTは国民に理解されない。
 職能団体、学術団体として生活行為向上マネジメントを。
 他団体は、OTならだれでもできると認識している。


OT=生活行為を改善する、ゲストに感動を与え、生きる力を提供するもの

イギリスのOTからのアドバイス
=制度は国ではなく、利用者のニーズとそれを支える国民、専門家の取り組みで作られる。

国ごとに違う『OT』があります。でも、生活を見ない『OT』はありません。印象的な言葉でした。





③『介護予防事業における作業療法士の役割  
  ~健康増進のための支援~』    
  
岡山県津山市役所 安本勝博先生


とにかくエネルギッシュな先生!


国民の60%が自宅療養を望み、かつ生産年齢人口が減少していく。
医療や介護は病院完結型から地域完結型へ変わらざるを得ない。
さらに、もう介護保険では支えきれない現状。
地域包括ケアが求められている。


健康増進。
さて、健康とは?
=身体的、精神的、社会的に良い状態(WHO)
=判断は本人。
 そして世界作業療法士連盟は、
 『作業療法は、作業を通して健康と安寧を促進することに関心を持つ専門職』としている。
さらに2012年作業療法ガイドラインに、作業療法士が関わる時期として『予防期』が明記された。
OTの対象は、疾患を持つ人に限定されない。

『予防』
関心は薄くないですか?


最近の研究では、書面のみでもOTが介入すれば支援が変わるという結果が出ている。
まだできる。

今全国13市町村で行われている、『予防モデル事業』
宮永先生のご講演にもあった、通所・訪問・地域ケア会議への参加。
なぜ、PT・OT必置となっているのか?
=現行の介護サービスは、ADLに対するサービスがほとんどでIADLに対するサービスは希薄。  
  生活の予後予測、見極めを!
  そして、興味をひく作業の選定や助言に関わる。  


先生が始めた『こけないからだ講座』
ついに週1回、市内180か所で1年以上続く集会となった。
利用者は3800名。
OTはもう介入していない。住民が、住民にアドバイスする。その環境設定をするのがOT。
1年後の身体機能も維持されているという結果も出た。

今じゃ勝手に集会所ごとにお揃いの服をつくったり、食事会を催したり・・・
なぜ住民だけで続くのか?
=住民は気づく。  
  自分が元気になればみんなが元気になる。みんなが元気になれば地域が元気になると。
  

良い循環ができれば、それぞれ自由に動き出す。
OTは住民の力を信じる。仕掛けるだけ。目立たなくていい。
そして、認知症予防先生は津山市で住民と『助け上手・助けられ上手になること、
この地域なら認知症になっても大丈夫と思える地域を』というコンセプトを共有し、活動中。

まずは、認知症の方によく出現する症状を想定しながら、住民に寸劇をしてもらった。
そこで感じたことを話し合う。
そして、住民は気づき始めた。
『認知症になる前からおつきあいがないと、いざ認知症になったときに支え合いができない』と。
ここに気づいてもらえればこっちのもの。
コミュニティの重要性をわかってもらう。


OTは仕掛け人。軌道に乗った後は忘れ去られたら大成功!と笑顔で語られた先生にOT像を見ました。




④精神障害者の地域移行を促進する作業療法士のあり方
  
 地域生活支援センターゆずり葉 遠藤真史先生
 

先生はOTであり、相談支援専門員。ゆずり葉は、OT3名、PSW4名、事務4名、ほかボランティアメンバーで構成。 

内容は主に相談支援専門員について。 
なんと先週、院内で講演してくださった地域の総合相談窓口の方の復習をさせていただきました! 
ナイスタイミング★より理解が深まりました。



⑤脊髄損傷による四肢麻痺へのアプローチ    
 神奈川県総合リハビリテーションセンター 松本琢磨先生  

脊損研究会(SCIOT)代表を務めておられる先生です。 

衝撃的な動画から始まりました。
18歳の少年が交通事故でC5レベル頚損に。
ADLは2年かけてトイレ、風呂以外自立。
車の乗り降り、車いすの車載、運転に必要な運動機能の獲得後に教習所に通い、免許取得。
休学中だった高校を卒業。就職。 

この動画を編集してくれたのもC4レベルの頚損のCL。 
その後は各論。 
脊損は整形疾患の枠に入れられやすいが、中枢神経疾患。可塑性を信じる。 


支援者があきらめてはいけない。 強くそう思わせてくれた講演でした。



この後はステキすぎる懇親会(T‐T)
宮永先生、安本先生と直接お話できました!
国に、地域に、作業療法をする。疾患のあるなしなんか関係ない。こんな畑の違う方々と、こんなに熱く語り合えるなんて。本当に来てよかった。
そして山形の藤井先生、本当にOT思いの、学生思いの素晴らしい先生です。
ビッグな方々と顔つなぎをしていただきありがとうございました!!
『一期一会』。私も大事にしていきます。

この日も懇親会後にさらに2軒行きました笑
明日もいっぱい吸収しよー★




あんこ

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