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あんこがはみ出るくらい日々奮闘中のセラピストたちのブログ。 ぜひご一読を!

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精神科を振り返る

精神科勤務を終えて,振り返ってみます.


あんこの会メンバーは,総合病院に勤務しています.
shizukaは回復期チームと脳卒中急性期チームを経験する中で,
   ・・・身体的な問題を抱えれば精神的にも病む
   ・・・いきなり障害の受容なんてできない

という,当たり前のことを肌で感じました.

診断名は『脳梗塞』
でも,気持ちが落ち込んで,麻痺は軽度なのに,何もしたくない.
以前のようにはできない,と思う(やってみてもいないのに).

人間はやっぱりココロが動かないと体は動かないのだと,
精神的な回復がなければ身体的な回復にはつながらないのだと思った.


そして,自分は『OT』
OTの原点は精神科.
対象となる多くの方は,身障領域と異なり,体は動くのに生活に支障が出ている?
今の環境は,様々な分野の経験が可能!!
そりゃーやってみたくなるでしょう笑
異動希望.


そして1年9か月の間,精神科勤務を経験.
私の学生時代の実習先は身障と小児.精神科は1週間の見学実習程度.

初めてしっかり『居る』精神科はひどく緊張して.
誰は話しかけても良い状態で,何をどこまで話していいのか?
どこに立って,どんな表情で,どんなトーンで,どんな雰囲気でいればいいのか??
疑問ばかり.
きっと周囲の人から見たらロボットみたいに硬かっただろうな笑
だって外見は障害があるかどうかわからない方がほとんど.
でも,入院したり,外来通院する必要のある方たち.
自分の関わったことで症状が悪化したらどうしよう・・・と気にした.
やっぱり未経験ってこわい.CLさんたちと同じ.

でも,時間経過とともに,こちらもそれぞれの方の顔や特徴を知り,
CLさんたちも私の顔を覚え,私のキャラを理解して(症状の安定しているときは)
関わってくれるようになった.
私は必要以上に身構えることはないんだな理解.
ただ,健常者よりも脆弱性は強く,臨機応変で柔軟な思考は望めない.
こちらの柔軟性が試される.
どこまで歩み寄れるか?


そしてまた当院の強み.
個人作業療法.
多くの病院で行われているらしい(私は集団訓練のみの病院さんの現状を把握できていないので),集団のみの介入は私には困難.
同時に多くの方を評価する目を持つことは私には難しいし,
個人個人の変化に影響する因子が多すぎる.

個人作業療法.
1:1で何時間もいるわけではなく.
何人も同時進行で手工芸や運動をやりながらではあるけど,
定期的に面接したり,個々のCLの目標に向かってできることを計画し,実行に移す.
集団では適応できているように見えても,千差万別.
内面に表出できていないものがあるかもしれない.
健常者でも千差万別なんだから,障害があればより生活歴も環境因子も特有だよね.


『私のことを一番理解してくれているのはあなたです』
『会議のとき,私の気持ちを代弁してくれてありがとう』
こんな言葉を言ってくれるとテンションあがりました.
欲張りな私は(OTならみんなそうか)CLのことを一番知っていたいからね笑


集団適応が困難な方も多いから,集団訓練も必要だけど.

急性期のCLがいきなりまとまった時間を集団で過ごすことは困難.
場を知って,顔を知って,内面を知って,少しずつ本音を語りだす.

早く本音を聞きたいと思ったら,質問するよりもこちらの手の内を明かす.
自分の失敗談なんかを取り入れて,身近な人だと感じてもらうことじゃないかな.

必要な方に,必要な場の提供を.



せっかく地域に帰られた方が再入院する,なんてことはしょっちゅう.
よく言われる『回転ドア現象』
定期的な診察,訪問看護,外来OT,総合相談窓口の介入...
さまざまな支援を駆使しても,これをなくすのは困難.
季節ごとに症状を繰り返す方も多い.


じゃあ何を目標にする?
当院精神科で感じたことは,やっぱりそのときのCLの想い.

いくら想い(夢)を目標にしたって
夢の途中で何度も折れるけど,
同じことを繰り返しちゃうけど,

『失敗』=『失敗』じゃなくて
『失敗』=『失敗+ほんの少しの経験』になればいいんじゃないかな.

ご本人の記憶には残らないこともあるけど,支援者の記憶には残る.
『こんなこともできるのだ』と.
『まだできる支援があるかもしれない』と.




日本のOTが対象にする領域は,身障,精神,老人,小児とあるけど,
精神領域はOTらしくいやすい場所だな,と思った.



精神科勤務を通して,精神科に限らず『OT』に必要だと思ったこと
・とことんCLの想いに付きあう.
 誰もが掘り下げて聞いてくれないとしたらCLは納得できないよね.
 たとえ現実的でないとしてもとことん話したら
 CL本人がどうすればいいか気づくかもしれない.
 支援者側もCLの『本音』の支援でなければ回転ドアになってへこむかもしれない.
・『障害』ではなく,『生活』に着眼する.
・できないから却下,ではなくどうしたら達成可能なものになるのか,
 そのままでは実現できなくても近づける工夫はないのか,チームで協議する.
・上記すべての根底は,
 支援者側が諦めないということとCLに信頼されて一緒に前に進みたいということ
 


こんな当たり前のことを強く感じた1年9か月でした.
想いばかりが先行し,できないことに憤りを感じてばかりでしたが,
CLさんたち,ご家族さんたち,Dr,Ns,SW,OTのみなさん.
とても勉強になりました.
やっぱりOTが好きです.
本当にありがとうございました.

楽しかった.



あんこ





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