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認知運動療法東北合同研修会(1)

3月23日、24日
認知運動療法。大好きな東海の方々が学んでいて、またbridgeで興味を持ったことがきっかけで、仙台へ向かいました。

12時過ぎに仙台駅へ到着。
牛タンを食べて。
開始時間までヨドバシカメラに滞在し。
開催場所へ。


今回の講師は国府病院PT 荻野敏先生。

先生は本題に入る前に、リハに対する熱い想いを語った。

アリスの物語を例えに
セラピストは、その場にとどまるためには全力で走り続けなければいけないこと、先に進みたければ2倍の速さで走らなければいけないことを話された

自ら学んでいますか?


そして、
常識は時代によって変わるもの。今までの知識だけでは太刀打ちできない。
常識を疑ってかかれ。


以下はshizukaの理解に合わせた記載です。間違っていたらご指導くださいませ。

本題。
初日は、
「認知神経リハビリテーションの難解用語」


認知運動療法。
先生は「これだ!」と思っているが、CLや他のセラピストに押しつけることではない。
CLに望まないものを提供して押し問答になっても仕方ない。
CLの目的に応じた対応をすればいい。

 マッサージをしてほしい⇒マッサージを提供
 ROMをしてほしい   ⇒ROMを提供
 治りたい!!     ⇒認知運動療法の視点で関わる

治療を目的に来るCLには、認知運動療法を進める。


では、認知運動療法とは?
 身体イメージの再学習が必要な方すべてを対象に、再学習を進めるという概念。
 自己身体図式(イメージ)により、行為は変わる。そもそも運動は身体イメージと外界情報のすり合わせ。正しい外界情報を得ても、正しい身体イメージが認識できていなければ使える情報にはならない。
 =自己身体への正しい認識を促す
(何も感じないのであれば何も感じていないことをCL にわかってもらう)。


1.機能環とは(生物学由来)
 動きと感覚は表裏一体であり、同時進行で行われる。しかし目に見えるのは動きとそのときの対象物。違った言い方をすれば、行為と環境のみ。
 でも、その背景には人と対象との相互作用(対象が「何か」によって、また対象に接する「人」によって変わる)、情報、中枢神経系が関わる。
 「見えない部分で何が起きているか?」を常に考える。

この中で出てくる「情報」とは
 ⇒差異によって作られる、差異
 ⇒物理的な差異は、認知的な差異へ変換される。
 しかし、物理的な差異を変換できなければそれは「同じ」と認識される。
 つまり、そこに確かに「違い」が存在しても「違っている」と認識できなければ「情報」とは呼ばない。

ミラーニューロンシステムとは
⇒他者の行為を観察しているだけで、あたかも自分が実行しているかのような神経活動を生み出すニューロンのこと。この機能は、他者理解、共感、模倣の基盤と考えられる。

カノニカルニューロンシステムとは
⇒対象物を操作しなくても観察しただけで対象の持つ意味を理解し、運動企画を形成するといった大脳皮質機能のこと。
 視覚による情報を手掛かりとした認知に応じた運動を選んで作りだすシステムのこと。  


2.創発特性とは哲学由来)
 部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が全体で表れること。全ての因子を加算していくことで説明できる合成特性ではなく、因子間の相互関係で成り立つこと。複数の要素の関係の中から生まれてくる特性のこと。
 全ての行為は創発特性を有する。


3.道具とは(心理学由来)
 存在するものでなくても使えるもの、媒介にできるものはすべて「道具」という概念で扱う。世間一般の方々が共有している考え方や法則も「道具」。例えば、図形。「三角形のイメージ」は誰しもおおむね共通している。3つの点と3つの直線で囲まれた図形。こういった共有できるものはすべて「道具」と呼ぶ。
 道具の使い方は無限。その環境設定も無限。使い方は自由。


4.最近接領域とは(教育学由来)
 何かを知りえる手段。それは触れる(運動)、見る(視覚)、聞く(言語)。依存しやすいのは、運動の必要がない視覚情報。
 この各感覚から、その方にとってわかりやすい感覚、発展させやすい感覚を探る(失行+失語のケースでは、まず視覚を利用するなど)
 つまり、セラピストはCLが最も覚えやすい、理解しやすい感覚を使って治療にあたる。
 
 また、そのとき与える水準は、最近接領域である必要がある。最近接領域とは、CLの現在の水準と現在は介助が必要だが近いうちに自力で可能になると思われる水準とのずれのこと。
 「できそうだ!」という水準を見極めて治療を行う。
  よく言われる課題の段階づけを指しているんだろうね。


5.科学とは(全ての学問)
 反証可能性を持つもの。
 =間違う(反証、訂正可能)可能性はあるが、それを証明する方法があるもの。科学にとって重要なのは確かなものではなく、仮説が裏切られることから最大で最良のものを学ぶ。
  占いは正しさの判別ができないため、科学ではない。 


 
二日目は肩こりの治療と症例紹介の二本立て。

「肩こり」
まずは痛みの定義を確認
 =実質的、あるいは潜在的な組織損傷に結びつく、あるいはそのような損傷を表す言葉を使って表現される不快な感覚・情動体験
 ⇒痛みに伴う心の変化が重要視されている!同じ痛みを与えられても感じ方は多種多様だもんね。そこを重視してくれるって、痛みの定義を考えた方々はOT?(笑)同じ経験をしてもその経験が大事なんじゃなくて、そこに存在するCLの想いを大事にしたい。

そして、肩こりとは
=後頸部から肩、肩甲部にかけての筋肉の緊張感や疲労感が混ざり合った一種の不快感、違和感、鈍痛
⇒筋の同定はされていない

一般的な肩こりは、脊柱の生理的彎曲(加齢に伴い、胸椎後彎が増強し、頸椎前彎が増強、慢性的な頭部前方位姿勢を維持することになる)が崩れることで過度に負担のかかる筋(肩甲挙筋の治療が重要なケースが多い)が出てくる。

認知運動療法で肩こりを治療するには?
 冒頭に記載したように、CLに感じてもらう自分の体がどの程度外部情報を認識できる体なのかを。
 研修では、5段階の硬さの異なるスポンジを用いてデモを実施。問題となる部位に注意を向ける体験をしてもらう。目標は硬さの判別ができるようになることではなくて、自分がどれだけ認識できているのかを把握してもらうこと。わかろう、とすることで注意が向く。

 
そして「痛み」を訴えるCL。しかし機能には何ら問題のない場合・・・?
「痛み」に対する最新の知見を紹介。ここからshizukaは最高に面白かった!!!

 ・視覚と体性感覚の不一致が起きると異常感覚(痛み、温度や重みの変化など)が出現
⇒目で対象を確認した後、実際に触れたときにその差があると異常感覚につながる!それほど視覚情報から想像している部分(視覚情報に頼る部分)が大きいってことかな?
 ・社会的疎外感を感じたとき、脳内では身体的な痛みを感じる部位と同じ前帯状回が反応する
⇒心と体は連動している!!!
 ・注射の画像を見て自分が受けていると想像するよう指示したところ、実際に身体的な痛みを感じる部位と同じ部位が反応
⇒脳の想像力ってすごいね!
 ・余暇活動、家族関係、気晴らしに対する満足度が低いと肩こりにつながりやすい
⇒肩こりにも精神的な部分が大きい!!
 ・脳は、必要以上に痛みを感じない仕組みを持っているが、ストレスにより側坐核の働きが悪くなったとき、分泌されるはずのμオピオイド(脳内麻薬物質)が分泌しなくなり、痛みをおさえることができない
⇒ストレスを感じると痛みを我慢しにくくなるのか!

身体機能のみでなく、そのCL全体を見て評価する必要性
 そして、CLの感じていることに近づく努力を!!



症例紹介
青森、岩手、宮城から各々症例を持ち寄り、3症例について検討。
みなさんの認知運動療法への想いは伝わってきた。
けど、やっぱりいろんな考え方のいいとこどりがイイ気がするよね。


ここでもbridgeに続き、若いセラピストたちの熱さを目の当たりにして刺激たっぷり。
懇親会もめっちゃ楽しかった!!!
やっぱり狭い場所でやっていちゃダメですね(^^)




あんこ


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