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あんこの会

あんこがはみ出るくらい日々奮闘中のセラピストたちのブログ。 ぜひご一読を!

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脳機能とリハビリテーション その2

運動前野とは?
   運動先行型活動(自分が意識し考える前に,動作を行っている)に関与.
   記憶、経験に基づいて判断する.  
   動作のプログラムを環境からのフィードバック前に経験からの予測を教えてくれる
   予測と一次運動野の感覚フィードバックが比較照合され,誤差を修正し,
   塗り替えた予測が一次運動野に送られる.
   ここが機能しなくなると,何をするにも同じパターンの動き方しかできなくなる.
   →①運動観察
    ②運動イメージ
    ③目的指向的動作

   


        
3つの機能を掘り下げると,
①運動観察
 ミラーニューロンシステム(MNS)
 =他者の動作を見たり真似したりするときに発火する神経細胞
  運動の意図の理解に関わると言われている
  腹側運動前野・下頭頂小葉・側頭葉後部の相互作用

『目的のある運動』はMNSがより活動する
「環境設定した状態」や「動作の部分のみ」を映した写真を視覚刺激として与えても
MNSは働かない
 環境と意図、行動が組み合わさった状況を見て、はじめて働く
=実際の現場で,実際の道具を使って練習する。難しければ,できるだけ近い状況を作り出す


また,
その活動が自分にとってどれだけ関連があるか,習熟度はどの程度か
も大切

その動作を経験したことのある人が観察した時,ミラーニューロンの活動は高まる
 経験のない人がバレエを見ても,「綺麗だな,すごいな」くらいだけど
 プロのバレリーナがバレエを見ると,MNSが働く
=提示する課題を選択するポイントの一つ.
 その作業はCLの文脈や生活にどれだけリンクしているか?


ミラーニューロンを働かせるには
・模倣を前提に見る
・自己と関連性が高い動作である
・ポイント(注意を向けてほしい部位)を伝える




②運動イメージ
 ≠知覚再生,ワーキングメモリ
一次運動野の賦活が大切なのは前回も記載した通り.
そのほか,イメージするだけでもNew M1の活動性は高まる!

「イメージ」と一言に言っても,かなり幅広いため、できるだけ具体的に伝える.
どんな姿勢で,何秒間,どの程度の動きを行うのか?など

* 近年では、BMI(ブレインマシンインターフェイス:脳波を解析、電気信号として入出力を
  行う機器)を使用し、脳でイメージしたことを機械で実現する研究もされている
 
* 運動イメージにはPETTLEPモデルなどの考え方も出てきている


ポイント
・ヒトは,経験したことしかイメージできない
 他動で経験してもらい,その際に感覚に注意を向けてもらう
・次は実際にイメージしてもらう
 身体練習と組み合わせて,実際の動きの中で.
・イメージする事象の焦点化.ポイントを絞って伝える




③目的指向的動作
運動前野には,目的にあった特異的なニューロンの存在が明らかになってきている
 小さな物体をつまむ時だけ働くニューロン・・・
 食事のときの捕食動作時のみ働くニューロン・・・

 
「つまみ」を目標にROMexをしていても,
実際につまんでみないと”「つまむ」ニューロン”は働いていないかもしれない

運動前野は,実際場面で実際のものを使わないと働かない




<運動前野と補足運動野のおさらい>
・運動前野 
視覚,空間的な位置関係の把握(外部情報に基づく)
 腹側運動前野:視覚イメージから物理的な動作への自動的な誘導
 背側運動前野:運動開始前の準備状態を作る,感覚信号と動作の連合

・補足運動野 
基底核や前頭前野とつながり,経験、記憶から運動へ
 固有補足運動野:動作の自発開始過程,連続動作の円滑な遂行
 前補足運動野:動作の切り替えや順番情報の生成,時間的制御


 *運動前野と補足運動野は相反関係にあり、パラレルニューラルネットワークを形成
   視覚・空間的な情報と経験・記憶からの情報は別のネットワークを形成しているが、
  視覚・空間的な情報を経験として取り込むなどの相互作用も持ち合わせている


<姿勢制御にも関わる部位>
基底核(自動的に姿勢の筋緊張の調整)、小脳(身体の揺らぎにおける誤差を検出)の
2つの部位は目的的な動作を行う際に上肢活動と姿勢制御を同時に支配する




運動前野の仕組みはわかった。じゃあ、どうするか?

運動前野の機能を発揮するためには
自己の身体イメージが大切
=身体所有感、運動主体感が必要

身体失認があると機能の発揮は難しい。

<身体所有感>
 頭頂葉や後頭葉が障害されると、空間的・時間的にずれがおこり、身体失認が起こる
 身体所有感を持つには体性感覚や視覚情報が空間的・時間的に一致することが必要
  例)自分が思ったタイミングで手挙がる

<運動主体感>
 運動主体感は体性感覚・視覚情報と遠心性コピーのマッチングが必要
    遠心性コピー:運動制御においては運動の指令が運動野だけでなく、
           その信号のコピーが感覚領野に送られる(詳細は後程聞きます)
・上頭頂小葉
 関節組み合わせニューロン
  →手首と肘、など。より日常に近い動きをすると発火
 関節皮膚組み合わせニューロン

・下頭頂小葉
 視覚と体性感覚の両方に応答するニューロン
 下肢は視覚に頼らないことが多いが、上肢は視覚との組み合わせが多い

運動主体感を擬似的にでも実現するもの
=自動介助運動
(いきなり他人に動かされるのは嫌ですよね。ちゃんと声かけしてますか?)

まずどのように動くのか、予測してから,実際にやってみてもらう
このときの誤差を埋め合わせて学習する
この誤差の埋め合わせをセラピストが手伝う

誤差が修正され,新たな予測が生まれる
⇒一次運動野に反映される!
⇒動作に繋がる!!

まとめ
運動は運動前野だけでやっているわけではなく,各領域の相互作用によるカタチ。
神経の可塑性により減ってしまう部分をどうにか維持したい,してほしい
そのためには,これから行う,行っている運動に対し,能動的に注意を向け、
具体的にイメージできるよう援助する



その3へ

あんこ

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脳機能とリハビリテーション その1

平成26年3月2日

☆湘南OT交流会×岐阜脳卒中リハビリテーション研究会のコラボ企画☆


あんこメンバーのshizukaとエキセントリックは,
ツイッタ―でいつもいつも熱く強く刺激をくださり、支えてくださる
坪井祥一さん講師の『脳機能とリハビリテーション』に参加してきました.


かなり濃い内容なので,4つに分けて書いていきますね.
 


脳卒中のリハは,
あの有名な山本五十六が残した言葉のような感じ

やってみせ,
 (模倣を前提に観察させたり,体制感覚フィードバックを与え運動を経験させる)

言って聞かせて,
 (どんな感じがするのか能動的に注意深くイメージさせる)

させてみて,
 (予測に基づいて実際の場面を想定して運動してみる)

褒めてやらねば,
 (信頼関係から紡ぎだされる喜びや報酬を感じる)

人は動かじ.
 (CLは差を埋め合わせるように前向きに学習していく)



また,脳卒中のリハは
運動、認知、情動の3つの領域で分けると考えやすい


運動     ⇒ 一次運動野・一次体性感覚野が運動の出力をし,
         運動前野・補足運動野が複数関節を扱う行為のプログラムを調節.   
         その場に合った行動かどうかを前頭前野が判断する

認知     ⇒ 前頭葉

情動     ⇒ 眼窩前頭皮質 



前頭葉は視床や被殻などと機能的に連結し,多側面に関連している.
そのため,前頭葉が直接障害されていない場合でも、二次的に機能低下することも多い

そのことから,ある部位が障害されているときは
他の領域とどのように連結し,影響し合っているか考えることが大事


最近では
一次運動野は一方的な運動の出力をするだけでなく、
感覚情報のフィードバックを受けて活動性を維持することが分かってきた。

脳の容量には限界があり、感覚入力がされなくなると,
脳の可塑性がおき、使わない領域は脳の中で置き換えられる
 *活動性を維持するためには,作業に対し,能動的に注意を向け,
  主体的に動かしてもらう必要がある



半球間抑制
通常,脳は半球間で互いの過活動を制御している

しかし、片側の脳が障害されると、
障害された側は不活性化が、障害されていない側は過活動化が起きる

不活性化が起きると、
GABA回路により抑制性の働きが強まり、使わない領域は更なる機能低下を招く

 *これを防ぐためには,感覚入力や情報入力を絶やさないことが大切。
  一次運動野が障害されていなければ,感覚入力により活動性の維持につながる


一次運動野(M1)はold M1new M1の2つの領域に分けられる
  old M1:脊髄介在細胞を通り脊髄前角細胞に作用。
      粗大な動作や体幹の制御に作用。深部感覚とのつながりが強い。  
  new M1:脊髄前角細胞に直接作用。
      巧緻動作に作用。表在感覚とつながりが強い。


繰り返しになるが,一次運動野は運動のみでなく,体性感覚とのつながりが強い.
=M1の機能維持には体性感覚フィードバックが大切
…とはいっても
 モノや人に触れさせたり,関節を動かすだけでは十分な感覚入力はされない。


大脳で情報の取捨選択がされているだけでなく
脊髄レベルで不要な情報を判断,遮断(遠心的に抑制)していることがわかった.
注意を向けていなければ,遮断されている感覚情報もあるのでは?
能動的注意を向ける(必要な感覚の取捨選択を手伝う)ことで,
 より感覚入力を促進する!

 あらかじめ結果を教えておく、または声かけをすることで注意が向けられれば,
 持ち得る能力を発揮しやすい!
 ただ触れるのではなく、注意を向けることが大切

注意には2通り
 ・受動的注意:外部からの情報に対する受身的な注意
 ・能動的注意:感覚を自分からとりにいく
        意識の焦点化,選択化,情報を取捨選択する過程



能動的注意は頭頂葉の感覚領域からも大切であるといえる
ブロードマンエリアの模式図を思い浮かべてほしい
感覚は・・・ 
 3a野:深部感覚に関与
 3b野:表在感覚に関与
 1.2野(中心後回=1次体性感覚野):深部覚と表在覚の統合に関与し,注意に関わる
    また,能動的接触によって活性化する!
 5野:身体両側の統合。体制感覚と視覚の統合に関与
 7野:運動知覚・身体知覚の統合に関与

 →注意を向けて脳が大事だと感じた情報のみが運動野に作用する

(例)座位での下肢機能訓練
   身体の感覚や動きを認識できるように(下肢への能動的注意を促す)アプローチ
   立位訓練はしていないのに立位姿勢が改善





その2に続く
あんこ

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瞬きと脳

今回もわくわくする内容です笑
前回は,DMNはぼーっとしているときに活性化する,と
勉強しました.

今回は,エキセントリックの見つけてきた文献の抄読会.
この文献からは,
瞬きをしているその瞬間にも一過性にDMNが活性化するという事実が!!!





大阪大学の中野珠実先生による
『瞬きから探る脳内情報処理機構』(BRAIN and NERVE 2014)


瞬きの目的
そもそもは,目の渇きを潤すため,と考えられてきた.
でも,
ヒトの目を潤すのに必要な瞬きの回数は,3回/分.
実際には,1回/3秒と約5倍行っている.
覚醒時の約1割の時間は瞬きをしている計算になる.

では,
瞬きには他の目的もあるのでは?

瞬目率は個人差,個体差あり.
これには大脳基底核のドーパミンが関与していると言われ,
ドーパミンが増加すると瞬目率も上がる.
また視覚的課題では瞬目率は増加.聴覚的課題では低下.


瞬目のタイミングは,
無意識にできごとのまとまりを見つけ,その切れ目で瞬目をしている
このタイミングはほぼ他者とマッチング.

なぜ?
他者の瞬目に合わせて引き出される瞬目は,映像のみでも音声のみでも出現しない.
「対面して話を聞く」状況でのみ同期する
=話の区切れ目で生じた話し手の瞬きに対してのみ,引き出される.
=瞬きを介して,情報のまとまりを共有している
  
 これは,
 個人内の処理のみではなく,個人間での相互作用でも重要となる(社会性)


>>高機能自閉症を持つ方の場合
  話を聞く際の注視ポイントは健常者と同じ!内容の理解も可!!
  ただ,
  瞬きのタイミングは話のまとまりを区切りとしない(話し手の影響を受けない)
  =瞬きを介した話のまとまりの共有をしようとする行為の欠如?
  =コミュニケーション障害につながっている?


瞬きの機能
=現在処理している対象から注意を解除することで,情報の分節化を目的としたもの?
  
 

>>ある小脳変性症の方
  眼球運動が乏しくなり,強制注視状態に.
  しかし,瞬きをすれば,顔を動かし,別の対象に注視できた.

乳児の瞬目率は2-3回/分.年齢とともに増加する.
=内発的に注意を解除する力と自発性瞬目には関係あり?


注意の制御
『現在の対象への注意解除』『次の対象への定位』
 
 二つのプロセスは互いに独立していることがあきらかになっており,
 『次の対象への定位』は前頭眼野と頭頂葉が中心.
 しかし,『現在の対象への注意の解除』機能の詳細はまだ不明


瞬目時の脳は,
注意機能の主要なネットワークである領域(前頭眼野と上頭頂小葉)の脳活動が一過性に低下.
逆に,
DMNは一過性に活性化する.

課題中でもこの活性化の交替は起こるが,
暗闇などの物理的な遮断では起きない!!(瞬き時のみ特異的に起こる)

=自発性瞬目は拮抗するネットワークを一過性に変動させ,
 注意を内的に解除し,情報の分節化を行う可能性・・・!?



瞬きを促せば場面の切り替えがしやすくなるかも?
おもしろすぎます.


あんこ



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第17回作業科学セミナー

 2013年11月30日,12月1日



まとめるのが遅くなりました.

inユラックス熱海

2日間でトータル245名の参加.

月1回の勉強会でいつもお世話になっている齋藤さん,宗像さん主導のもと
実行委員のお手伝いをさせていただき.
参加するだけでテンションが高まっているのに,ありがとうございます★

5月ぶりのオブリガードさん,もちはるちゃん,ふじこちゃんに再会し☆☆
(何枚か勝手に写真を入れさせていただいています.
 
何かあればご連絡くださいませ)
 


1日目

感動して泣きそうな齋藤さんのご挨拶から.
2年前に立ちあげた福島県作業科学研究会.
ついにこの日を迎えることができた.


裾野を広げたかった侍さん.

参加者のうち非会員が多数を占めてくれたことがとても嬉しい.

素晴らしいご講演,発表の数々でしたが,私は何度か離席いたしました.
聞き漏らしている部分がありますので,
聴講された皆様,ぜひご指導くださいませ.




まずは特別講演
木田佳和先生(介護老人保健施設 楢葉ときわ苑)
『震災から現在,そして未来へ
~作業的存在としての姿を取り戻す~』


第1章
間近で体験された先生だからこその壮絶な,とてもリアルな被災体験のお話.
先生は福島県いわき市在住.

震災や原発の影響で,慣れ親しんだコミュニティーは崩壊.
大切にしていた作業も奪われた.

第2章
作業が奪われ,弱っていく人々をみて.
もう一度意味のある作業を取り戻すための支援を!と動き出す.
2013年3月.
日本初となる,仮設の介護老人保健施設を創設.

環境は作業や想いの表出までも制限する.
作業は安易に提供してはいけない.
想いを理解した上で,環境設定や方法から,ともに考える


第3章
いまだに先が見えず心の整理ができない被災者が多い.

今できる支援とは・・・
一緒に歩むこと.
 多くのものをなくし,未来が見えない方々とともに.


この状況下で
私だったら

意味のある作業を支援する!と強い意思を持てたか考えると疑問です.
先生はホンモノのOTです.




ポスターセッション
私が興味を持った演題は,
『成人知的障害者通所施設生活介護事業に
おける作業選択と
意思決定の支援』

さいたま市障害者福祉施設のOTさん.
通所している知的障害を有する13名の方に対し,
『作業選択を援助する生活体験プログラム』を実施.

彼らは未経験な作業が多すぎた.
1年間継続したところ,明確な意思の表出や興味の拡大,
選択した作業から具体的な内容を表出するといった変化が見られた.

プログラムは年間50回.家族面接は年2回.
担当スタッフは2人.参加者は4~10名/回.
実施した活動は視覚的にわかるよう,写真で整理し,家族にもフィードバック.

結果,CLは伝えたいことが増え,発語は2語文から3語文に,
表現方法が多様になり,暴力は減少.

『暴力』と捉えられていた行動.
実は『人を笑わせたかった』だけ


百聞は一見にしかず.
経験していない作業ばかりなのに,そこから自分で選択することはできませんよね.
周囲の認識による選択の幅の制限も大きかったはず.
ステキな取り組みです.



ワークショップ
『作業の捉え方を考える』
受付でもらった名刺の裏に書かれたグループ名で10名程度に分けられ.
グループごとに1人CL役となり,他のメンバーがインタビュー.
CLの作業を深く捉えるためにはどんな情報が必要か?を考える.

どの視点から質問すればより本質に近づけるか?
CLに寄り添い,CLを知っていく能力が必要なOTにとって大事な練習になります.



基調講演
ヘレン・ポラタイコ先生(カナダ トロント大学)
『作業療法に不可欠なこと』

作業は普遍的性質を持つか?

普遍性:一般化できること
特異性:それ特有の性質

作業の基本的前提には,
・人には作業ニーズがある
・作業には治療的力がある
という以前から述べられているものと,

・作業は健康に影響を与える
・作業は時間を構成し生活を構造化する
・作業は人生に意味をもたらす
・作業は特異的である
という点も基本的前提である.

作業の7つの普遍性
1)人は作業的存在である
2)人の作業は特異的である
3)人の作業の形態は環境と人との相互作用から生じる
4)人の作業の機能は人のニーズから生じる
5)人の作業は意味の源である
6)人の作業には力がある
7)人の作業の力は何から影響を受けるのか

 6 )まではよく検証されているが,7 )については今後一層の検証が必要.




そして懇親会(^_^)v
上江洲先生,澤田先生,友利先生,籔脇先生,木田先生と
再会した皆様にあんこ好きの私おすすめのおまんじゅうを渡して(笑)
福島の郷土料理,B級グルメを堪能し,伝統芸能や熱いメッセージにわくわくして★
 




2日目

記念講演
齋藤さわ子先生(茨城県立医療大学)
『作業を通して人を理解すること』


被災者支援の立場からボランティアについて振り返る.

傾聴ボランティア,はよく耳にした言葉.
でも,実際にしていたのは傾聴ではない.
「作業の提供」

大切な作業が奪われたとき,
精神的・身体的健康の維持には作業形態の維持が必要.
身体機能や生活リズムはもちろん,
アイデンティティや自分の持っていたスキルなど.

以前やっていた仕事を再開する,
死別した方がやっていた作業を受け継ぐ,
新たな日課を作る.

そんな作業を通して,
自分の生きている意味,死別者の生きていた意味を確認する.

「人は作業的存在である」
その大前提を再確認し,その人らしい生活の再構築を支援することが必要.




閉会式
あっという間の2日間でした.
ステキなOTが全国にまだまだいる.
いろんな方に触れたいなあ.

来年は山口です.


裏方のお仕事も大好きなので
こんなお手伝いをさせて頂けるのもとても楽しく,

とてもとても幸せな時間でした.
お世話になったみなさま,本当にありがとうございました.

乱筆,お許しください.




あんこ

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デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)




JSNRで気になった,DMNについて勉強してみます.
googleドキュメントに張り付けさせていただいたのに
知識が足りなすぎなので(;O;)



脳って考えていないと働かない…
そんなイメージはありませんか?
私はそう思っていましたが...


近年の研究では『知的作業をしている時には、安静時に比べて活動の減少を示す脳部位がある』という事実が明らかになりました(@_@;)!!


 


そのシステムこそ
“デフォルト・モード・ネットワーク”(以下,DMN)



DMNは,目的を定めて考えているときには活動が低下し,
      何も考えず,ボーっとしているときに活動している…

ふつうのイメージと違いますね.
ボーっとしているとはいっても思考を停止させているわけではなく,
何かしら無目的に考えている(空想?)


資料では
『DMNは,“自分について考える”,“自分を振り返る”などの自己意識や内的思考プロセスに
関係している事がわかってきている.


アルツハイマー型認知症(AD)の方のSPECT像では,DMNの部位の血流が低下している事がわかっており,DMNの機能の低下により自分の置かれた状況がわからなくなるという見当識障害が表れると考えられる.現在,ADのほか,うつ病,統合失調症,自閉症,ADHDにおいてDMNの血流が低下しているとの結果が出ている』

ボーっとしているときに
思考が整理され,アイディアが閃きやすいと聞くのはこのことでしょうか?
また,
疾患については,確かにADやうつ病の方々は「何か楽しいことないかなー」と
リラックスして空想することは難しい印象があります.



また,DMNは思春期に活性化するそうです.
(”自分について考える”,“自分を振り返る”などなど悩みますからね)


とはいっても大人になってからも活性化させる方法がある!
茂木先生の本では『無目的に散策すること』が良いと書かれています.

そんなふうにリラックスしたり,自分について考えたりする環境をつくるのも
アプローチの一つなのかもしれません.


 
ちなみに…


 現時点でDMNに関する領域として同定されているのは,
    ★内側前頭前野:状況判断,文章の裏を読み取る.
      前頭前野(前頭連合野,前頭前皮質):主の機能はワーキングメモリー.
                              快のときに活性化する
      大脳は,運動野,感覚野に属さない部位を連合野と呼ぶことを
      初めて知りました.私はこんなレベルです笑


    ★後部帯状回/楔前部:DMNの中心的役割.
       帯状回は脳梁を取り囲む位置(大脳辺縁系と新皮質の堺)に存在し,
      さらに4つの部位に分けられる.
       損傷した場合,辺縁系(本能をつかさどる)が暴走する.

   
       ・前部帯状回(24,25,32野)
        吻腹側部
        
 
 
        =感情や情動の発現,衝動の抑制. 
        背側部
        =認知.注意や運動の選択,モニタリング.
         不快なときに活性化する.
         この部位の活動を抑制できないと,うつ病につながりやすい.
       ・後部帯状回(23野)
        =空間認知
       ・脳梁膨大後方部(29,30野)
        =記憶 
       

    ★下部頭頂葉

 

まだ明確な結果が出ているわけではないことをご理解ください.
引き続きご指導くださいませ.



あんこ


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